武田薬品、リクルートなどの業績を図解【TOPIX Core 30⑥】

決算分析

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。

この記事では日本を代表する30銘柄を集めた「TOPIX Core 30」から、「医薬品」「化学」「サービス業」業種の以下5銘柄の業績を図解します。

・医薬品
武田薬品工業≪4502≫、アステラス製薬≪4503≫、第一三共≪4568≫
・化学
信越化学工業≪4063≫
・サービス業
リクルートホールディングス≪6098≫

本記事で図解する業績は以下の4点です。

売上高/売上収益
営業利益
純利益
EPS(一株純利益)

EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。

IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。

四季報記載のコメントも掲載します。

投資判断の一助になれば幸いです。

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■武田薬品工業≪4502≫

国内製薬首位。がん、中枢神経、消化器、希少疾患等に重点。巨額買収で世界売上上位10強入り

【増 配】潰瘍性大腸炎薬『エンティビオ』は米国中心に堅調増。だが好採算ADHD薬特許切れが響く。国内は高血圧症治療薬の後発品参入で後退。コロナワクチン収入もなく大幅営業減益。税負担平常化。増配。
【還 元】シャイアー社巨額買収後の有利子負債圧縮が一段落して15年ぶりに増配。今後は累進的配当方針を表明。パイプライン拡充の成長投資と株主還元を同時強化。

■アステラス製薬≪4503≫

医薬品国内2位。開発技術起点の研究開発体制。前立腺がん薬が柱。遺伝子・細胞治療技術育成

【大幅増益】米国の心機能検査補助剤の後発品台頭が痛手。ただ前立腺がん薬『イクスタンジ』や急性骨髄性白血病薬が堅調増。加えて更年期障害薬が加勢。前期の腎性貧血薬など巨額減損減り大幅増益。増配。
【大型製品】5月承認の更年期障害薬は会社計画のピーク時売上高約5000億円、23年度約500億円。米バイオ企業買収は9月までに完了、眼科領域の大型薬獲得へ。

■第一三共≪4568≫

国内製薬大手。循環器と感染症薬強い。英アストラゼネカ社と提携し、がん領域の開拓中

【快 走】乳がん・胃がん治療薬『エンハーツ』が適応拡大受け米欧で大幅伸長。国内は抗凝固剤『リクシアナ』の伸長で薬価改定影響こなす。エンハーツ販売にかかる費用、研究開発費増加でも営業増益。増配。
【目標増額】25年度売上2兆円、がん領域0・9兆円以上(策定時各1・6兆円、0・6兆円)に。後発薬子会社を250億円で売却(影響表記未反映)、新薬に経営資源集中。

■信越化学工業≪4063≫

塩化ビニル樹脂、半導体シリコンウエハで世界首位。ケイ素樹脂、フォトレジスト等も。好財務

※2024年3月期の業績は非開示のため、四季報3月号より抜粋

【後 退】塩ビは下期に市況回復、年末の能力増強も加勢するが上期の北米向け数量・価格軟化痛い。半導体ウエハ・レジストも前半は顧客の在庫調整続く。償却費増え高水準ながら営業益一歩後退。連続増配も。
【市 況】半導体顧客の在庫調整一巡はロジック・メモリーとも7~9月期以降にずれ込む見通し。12・5億ドル投じ能力増強進めてきた米国塩ビは12月から10%増産へ。

■リクルートホールディングス≪6098≫

求人情報検索エンジン『インディード』、生活情報分野の販促・人材メディア、人材派遣の3本柱

※2024年3月期の通期業績は非開示。以下の通り、第1四半期のみの開示。減収減益見込み。

※2023年3月期決算短信より抜粋

【続 落】飲食、旅行など販促関連増勢。が、米国採用需要の急減が成長柱のインディード直撃、下期さらに市場縮小の公算。人材派遣も欧米軟調。前期末膨張の人員削減・拠点統合費用減るが補えず。増配は継続。
【インディード】前期末、同社軸に部門従業員の約15%、2400人削減。市場縮小のスピード勘案しつつ追加の費用削減も検討へ。復調期に向けマッチング精度向上施策は継続。

■おわりに

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?

私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。

業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。

業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。

上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。

もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。

ぜひ活用してみて下さい。

投資判断においては、上記の業績の他にも、

貸借対照表(BS)の状況
キャッシュフローの状況
配当などの株主還元方針
ビジネスモデルの強さ
競合他社の状況
為替や金利などの外部環境

など、様々な要素が影響します。

少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。

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本日もお読み頂きありがとうございました!

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