ソニーG、キーエンスなどの業績を図解【TOPIX Core 30②】

業績図解・四季報記事

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。

この記事では日本を代表する30銘柄を集めた「TOPIX Core 30」から、「電気機器」業種の以下7銘柄の業績を図解します。

・電気機器
日立製作所≪6501≫、ニデック≪6594≫、ソニーグループ≪6758≫、キーエンス≪6861≫、ファナック≪6954≫、村田製作所≪6981≫、東京エレクトロン≪8035≫

本記事で図解する業績は以下の4点です。

売上高
営業利益
純利益
EPS(一株純利益)

EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。

IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。

四季報記載のコメントも掲載します。

投資判断の一助になれば幸いです。

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■日立製作所≪6501≫

総合電機・重電首位で事業広範囲。総合路線見直し、インフラ系重視の戦略に。海外事業を拡大

※調整後営業利益=売上収益から、売上原価ならびに販売費及び一般管理費の額を減額して算出

【剥 落】子会社再編で売上高目減り。米グローバルロジック中心に柱のIT伸長。再エネ関連需要拡大し送配電が想定超。ただ子会社売却益剥落。連続増配。25年3月期はITや送配電の受注残高水準で増益。
【再 編】23年11月IT事業を一部再編し新会社も設立。生成AI利活用やデータ基盤整備加速。仏タレス社鉄道信号事業買収を欧州当局が承認、24年前半にも完了へ。

■ニデック≪6594≫

モーター世界大手。精密小型から産業用など中大型シフト。EV向けなど車載用を主柱に育成中

【最高益更新】データセンター需要低迷で小型精密モーター軟調。が、産業用モーターはインフラ向け中心に好調。車載向け採算改善。構造改革費ない。1ドル120円想定の会社計画過小。最高純益。25年3月期は車載向けが拡大。為替差益見込まず。
【工作機械】旋盤メーカー、TAKISAWAへのTOB成立。完全子会社化へ。eアクスルは中国中心やめ日米欧でも展開。

■ソニーグループ≪6758≫

AV機器大手。海外でブランド力絶大。イメージセンサー、ゲーム、音楽・映画分野に重点

【小幅減益】柱のゲームは自社制作以外のソフト販売が牽引。ストリーミング増え音楽も伸びる。が、映画は米ストライキ響く。金融の一時利益なく小幅減益に。25年3月期もゲームや半導体の投資重く横ばい圏。
【舵取り】23年10月から十時社長がゲーム子会社会長兼務、24年4月以降は暫定CEOに。1年以内に後任選定へ。一部のゲーム関連子会社等で人員削減、効率化の一環。

■キーエンス≪6861≫

FAセンサーなど検出・計測制御機器大手。生産は国内工場軸に外注。持分にジャストシステム

※2024年3月期予想は現時点で非開示のため、会社四季報3月号の数値をグラフ化。

【高水準】中国の設備投資停滞と海外の人件費増重なる。が、欧米中心にFAセンサー等好調。半導体・水晶向けの上期軟調こなし、営業益は高水準維持。為替差益続く。25年3月期は人員増効果発現で海外伸長。
【業務提携】生成AIベンチャー『オルツ』の株式取得で資本業務提携。先端技術活用で強みの課題解決力強化狙う。為替感応度は対ドル1円変動で営業益8億円増減。

■ファナック≪6954≫

工作機械用NC(数値制御)装置世界首位。産業用ロボや小型マシニングセンタも。配当性向60%

【大幅減益】中国等で設備投資の様子見続く。ロボットは受注残着実消化も、期中受注に減速感。FA等で在庫調整の影響が継続。工場稼働低下し大幅減益。減配。25年3月期は在庫調整影響緩和し利益率改善。
【新商品】サイバーセキュリティに対応した新型ロボット制御装置を市場投入、24年2月に量産開始。24年4月末まで上限625万株、250億円で自己株式取得。

■村田製作所≪6981≫

電子部品大手。世界トップのセラミックコンデンサーが主柱。原料からのセラミック技術に強み

【減益幅縮小】IFRS移行。PC向け各種部品や2次電池等の数量減。前半操業度低く、利益続落。ただスマホ向けMLCCが期央から回復。円安進展もあり前号比営業減益幅縮小。25年3月期は車載用が牽引。
【増 強】タイ新工場でMLCC量産が23年11月開始。スマホ回復とEV成長にらみ追加投資、28年までにフル稼働。ベトナム工場は新生産棟でインダクター生産増。

■東京エレクトロン≪8035≫

半導体製造装置で世界3位。コータデベロッパー、エッチング装置、成膜装置など前工程に強み

【反 落】ロジック向け半導体製造装置はPC・スマホ需要低迷が影響、下期底打ちだが回復鈍い。メモリー向けは生産調整が打撃。中国顧客活況ながら償却も重く利益反落。25年3月期はロジック向け徐々に回復。
【新 設】新開発棟は23年7月竣工の山梨に続き、25年にかけ宮城、熊本でも竣工予定。需要回復見据え体制整備。23年度業績底支えの中国向けは24年度も高水準維持。

■おわりに

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?

私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。

業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。

業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。

上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。

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もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。

ぜひ活用してみて下さい。

投資判断においては、上記の業績の他にも、

貸借対照表(BS)の状況
キャッシュフローの状況
配当などの株主還元方針
ビジネスモデルの強さ
競合他社の状況
為替や金利などの外部環境

など、様々な要素が影響します。

少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。

本日もお読み頂きありがとうございました!

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