エーザイ、塩野義製薬などの業績を図解【TOPIX Large 70③】

業績図解・四季報記事

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。

この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「医薬品」業種の以下5銘柄の業績を図解します。

・医薬品
塩野義製薬≪4507≫、中外製薬≪4519≫、エーザイ≪4523≫、小野薬品工業≪4528≫、大塚ホールディングス≪4578≫

本記事で図解する業績は以下の4点です。

売上高/売上収益
営業利益
純利益
EPS(一株純利益)

EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。

IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。

四季報記載のコメントも掲載します。

投資判断の一助になれば幸いです。

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■塩野義製薬≪4507≫

抗HIV薬が大型製品に。感染症、疼痛・中枢神経領域に強み。米国に積極展開。欧州、アジア開拓

【増 配】コロナ薬は今期見込んだ中国で承認が後ろ倒し。ただ国内でインフルエンザなどの感染症薬が数量想定超、柱の抗HIV薬も好調で相殺。早期退職にかかる費用増をこなし営業益高水準維持。増配。25年3月期は人件費削減効果もあり小幅増益。
【ゾコーバ】コロナ薬の臨床症状改善効果検証は23年内に症例登録完了。肥満症向け候補薬は24年度最終段階の治験入り目標。

■中外製薬≪4519≫

ロシュ傘下で成長続ける異色の医薬品大手。抗体・バイオで先行、抗がん剤、骨・関節領域に強い

※会社開示の2023年12月期予想は会社独自の指標によるため、四季報予想値をグラフ化

【横ばい】血友病薬の伸長想定超。ただコロナ向け『ロナプリーブ』大幅減、特許訴訟受取和解金919億円剥落。増配。24年12月期は前期計上コロナ薬剥落、関節リウマチ薬は後発品が侵食。ただ血友病薬『ヘムライブラ』や新薬群貢献で営業益横ばい圏。
【血友病薬】『ヘムライブラ』は30年までに年間売上最大8000億円。発作性夜間ヘモグロビン尿症薬は米FDAが申請受理。

■エーザイ≪4523≫

神経系、がん領域に強み。認知症薬は米バイオジェンと、抗がん薬では米メルクと国際協業推進

【若干増額】国内は関節リウマチ薬『ヒュミラ』が販売契約終了で後退。ただ米国中心に主力の抗がん剤『レンビマ』の数量増が想定上回る。認知症薬の研究開発費大幅減も貢献。前号比やや営業益増額。税負担平準化。25年3月期は認知症薬伸び増益続く。
【世界展開】認知症薬『レケンビ』は、23年度中に売上100億円レベル達成が目標。欧州、中国は23年度中に承認の見込み。

■小野薬品工業≪4528≫

医療用医薬品専業の中堅。自社開発品多い。先駆的がん免疫阻害剤『オプジーボ』が成長牽引

【最高益】柱の『オプジーボ』は堅調増。糖尿病薬『フォシーガ』は慢性腎臓病向け適応が貢献し数量増想定超。特許和解金170億円計上もあり増益。増配。25年3月期は和解金剥落、ロイヤルティ減り反落。
【減 少】24年から段階的にメルク・ロシュからのロイヤルティ収入減少、26年末に終了。希少疾患薬の拡販見据え、米国で26年までに160人規模の営業体制に強化。

■大塚ホールディングス≪4578≫

国内製薬大手で抗精神病薬が主力。ポカリスエットなど機能性食品も拡大。世界90カ所に工場

【快 走】抗精神病薬『レキサルティ』など主力品が円安で売上想定超。機能性飲料『ポカリスエット』も海外で伸長。大幅増益。24年12月期は抗精神病薬『レキサルティ』など主力製品群が米国中心に堅調増。23年度の減損572億円もなくなり、大幅増益。
【高血圧】23年11月に新型治療デバイスが米国で初承認取得。同月、米国の女性向け健康食品企業を約630億円で買収。

■おわりに

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?

私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。

業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。

業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。

上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。

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もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。

ぜひ活用してみて下さい。

投資判断においては、上記の業績の他にも、

貸借対照表(BS)の状況
キャッシュフローの状況
配当などの株主還元方針
ビジネスモデルの強さ
競合他社の状況
為替や金利などの外部環境

など、様々な要素が影響します。

少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。

本日もお読み頂きありがとうございました!

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