高配当銘柄の出口戦略!私がENEOSを売却した理由!

投資の考え方

あの時売らずに持ち続けていたら株価2倍になったのにな~!
なんで売っちゃったんだろうな~

あの頃売ろうかと検討してたのに、、まさかこんなひどい暴落が起こるだなんて・・・欲を出さずに売っておけばよかったわ・・・

こんなことを思ったこと、ありませんか?

私もよくあります。笑

投資を始めた方なら誰もが直面する「投資の出口」問題。

これ!という答えはありませんが、自分なりのものさしを持っておくことが大切だと感じています。

今日は、高配当銘柄の出口戦略について、先日売却したENEOSの事例を使って私の考え方を書いていこうと思います。

1つの考え方として参考になれば幸いです。

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■私が高配当銘柄に求めるリターン

高配当銘柄に投資をするとき、皆さんはどのようなリターンを求めますか?

そもそも「高配当」の定義って??

私自身は、購入時の「配当利回りが3%以上」の銘柄を高配当銘柄と定義し、求めるリターンは投資額の3%以上の配当金を毎年もらい続けることです。

そこで重要なことは、

・投資時点において、配当利回りが3%を上回っていること
将来にわたり配当を出し続けられるだけの業績の安定性財務の健全性をもちあわせていること

です。

配当利回りが異常に高い銘柄というのは、「そこまで配当利回りを高めないと株を買ってくれない」という裏返しでもあります。

配当利回りが高いことだけをものさしにするのではなく、業績の安定性(過去10年間の業績推移)や財務の健全性(自己資本比率、キャッシュ創出力、有利子負債の多さ等)、過去からの配当金の推移などもチェックするようにしています。

業績や財務の良好な会社であれば、増配も期待できます。

■時間軸を交えた考え方

リターンを考える時に重要なのが「時間軸」についても考えることです。

何年間、配当をもらい続けたいか?」です。

5年か?10年か?20年か?買ったら永久保有か?

変化の大きい今の時代、10年もすれば業界の構造や業界内での順位は劇的に変わる可能性があります。
今では世界を席巻するエヌビディアの創業が1993年(約31年前)、アマゾンは1994年(約30年前)、グーグルは1998年(約26年前)、テスラ2003年(約21年前)、フェイスブックは2004年(約20年前)です。

これらの会社の栄光の影で多くの会社が淘汰されてきたわけですから、よっぽど競争力のある企業でもない限り、「20年後も安泰」なんてことはなく、今投資している先が未来永劫繁栄していくとは考えない、というのが私の基本スタンスです。

なので、高配当銘柄についても「10」程度を継続保有の1つのものさしにしています。

100万円投資したとすると、キャピタルゲインは出なくても、年3万円×10年=30万円の配当をもらい、当初の取得価額の100万円で売却する。

10年間でリターン+30%です。

■配当をもらえても、株価が下がったら意味がない?

配当株投資で求めるリターンは配当金ですので、日々の株価変動がさほど気にならないのは配当株投資のいいところです。

仮に株価が下落しても、目的が配当金なのだから関係なし。

むしろ、配当の継続が期待できる優良銘柄であれば、より安く、より高い配当利回りで追加で買えるチャンス、というわけです。

ただし、出口を考える上では株価も重要になります。

100万円で買った銘柄から30万円の配当金(利回り3%、年3万円×10年=30万円)をもらったとしても、10年後の株価が60万円まで下落してしまっていたら、トータルでは損失です。

もちろんそうなればじっと持ち続けて配当をもらい続けるという戦略になるのでしょうが、これだけ株価が下がっているということは業績もかんばしくなく、減配や無配のリスクも抱えることになります。

やはり、配当利回りのみならず、業績の安定性財務の健全性を見ることが大切です。

■ENEOSの売買記録はこちら

さて、基本的な考え方は上記の通りとして、私の実例として、ENEOSを見ていきます。

まず、売買記録は以下の通りです。

【買付】
時期:2023年12月末
株価・株数:550×300株=165,000円
配当利回り:4%(年間1株配当22円)。

参照記事:【ENEOS・NTTを買付!2023年は▲0.6%で着地!】今週の株式投資ポートフォリオ振り返り#231229

【売却】
時期:2024年9月頭
株価・株数:800×300株=240,000円
株価上昇率:+45.5%
売却益:75,000円
受取配当金:3,300円(6月末の期末配当1回のみ)

参照記事:【ENEOSを売却!現在年初来+4.3%】今週の株式投資ポートフォリオ振り返り#240906

■ENEOS買付時の戦略

買付時の戦略は、10年程保有し、その間毎年4%(6,600円/年)の配当をもらい、10年後に同額程度で売却できれば、というイメージでした。

買付時のコメントは以下の通りです。

入口の時点からあまり好みの銘柄ではなかったことも、今回の売却の判断を後押しした一つの要因かもしれません。

■ENEOSの株価推移と業績推移

ENEOSの過去5年の株価の推移は以下の通りです。

400円台、500円台にいることが多かった銘柄ですが、今年に入り大きく上昇しました。

当時年初来で+40%以上上昇しており、これは過去数年の株価上昇率と比べても非常に大きいものであったことは確認していました。

同社の過去9年と今期予想の営業利益売上高営業利益率の推移は以下の通りです。

比較対象として出光興産の業績も記載しています。

まず言えることは、業績の波が激しいということ。

16年3月期、20年3月期は赤字で、年度によって上下動が激しいのが特徴です。

原油価格や為替など、コントロールできない外部環境の影響を大きく受ける業界であるためで、営業利益率の推移が両社ともほぼ同じ推移であることからもそれを感じます。

■気になる外部環境(為替・原油)

となると、やはり気になるのが外部環境。

過去5年のドル・円為替相場WTI原油先物の推移は以下の通りです。

もちろん外部環境のみで業績が決まるわけではありませんが、円安や原油高が業績の追い風となってきたことは事実でしょう。

今後のことは誰にもわかりませんが、為替については日米の金利差縮小を背景に円高に振れていくと予想しています。
そうすると、業績にも逆風となります。

(原油価格の行方は、中東情勢やサウジアラビアのご機嫌や大国の景気など色んな要素がからむと思うのでよくわかりませんし予想もできません。。)

同社の決算説明資料では、外部環境に対する感応度が開示されており、為替レートは5円円安に振れると、営業利益が365円良化するとされています。

※同社の決算説明資料より抜粋。一部加工。

つまり円高に振れると反対のインパクトがあるということです。

2025年3月期通期の想定為替レート145、先週末時点の為替は140円台です。

今後130円台になるようなことがあれば、営業利益に▲365億円以上のマイナスインパクトということになります。

通期の営業利益予想が4,000億円ですので、想定よりも約9%営業利益を下押しする可能性があるわけです。

これらの外部環境から、株価が上昇する可能性と下落する可能性を比べた時、下落する可能性の方が高いのでは、というのが私見です。

■1/10の期間で期待したリターンが得られたと考える?

さて、投資の出口戦略の話に戻ります。

改めて、私が当初描いていた戦略はこちらです。

10年程保有し、その間毎年4%(6,600円/年)の配当をもらい、10年後に同額程度で売却できれば」

金額に置き換えると、以下の通りです。

取得価額:165,000円(550円×300株)
売却益:0円(取得価額と同額で売却と想定)
受取配当金:6,600円×10年=66,000円

なお、ENEOSは過去積極的に増配するような銘柄ではありませんので、増配は見込まずにシミュレーションしていました。

結果的に800円で指値を入れて売却をしました。

株価・株数:800円×300株=240,000円
上昇率:+45.5%
売却益:75,000
受取配当金:3,300(6月末の期末配当1回のみ)

売却益と受取配当金合わせて78,300

当初のシミュレーションの66,000円を上回るリターンです。

元々長期で保有することを前提に買ってはいたものの、想定以上に株価が上昇し、
「10年間で得れると期待したリターン」が「1年以内で得られる」
と考えました。

そしてそれは株価が下落したら実現しない。
しかも株価は下落すると自分自身考えている。
利益を確定すれば、そこで得たキャッシュで次の優良銘柄をじっくり探すまで待機できる。
(そして9年の間に必ず株価が大きく下がるシーンはくる。)

これらを総合的に考えて、売却することを決めました。

指値を800円にしたのは、このくらいまでは上がるかなと思ったのと、金額の節目は売りが意識されやすいと考えたためです。

■あたなはどう考えますか?過半数の方は・・・

当初方針とは変わってしまいましたが、朝令暮改は決して悪いことではないと思っていますので、判断に対して悔いはありません。

皆さんは私の判断、どう思われたでしょうか?

他の方々の投資判断も気になりXでアンケートをとったところ、以下のような結果となりました。

配当が目的なので、売らない!」という方が過半数という結果となりました。

意志が固い!

ENEOSという会社名は出していなかったので、出したらまた違った結果になったかもしれませんが、これも一つの答えだな、と思って拝見しておりました。

投資をしている多くの人が迷う「投資の出口」。

今回の判断が正しかったのかどうか、その答えがでるのは未来のお話。

もしかしたら、

あの時売らずに持ち続けていたら株価2倍になったのにな~!
なんで売っちゃったんだろうな~

と近い将来つぶやいてるかもしれませんが、それはそれで経験ですね。

株式投資においては、自分なりにものさしを決めて、自分の考えに基づいて判断し、経験を通して学んでいくことがとても大切です。

これからも自分の頭で考えながら、相場と向き合っていきたいと思います。

本日もお読み頂きありがとうございました!


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