投資家の注目度のも高い楽天グループ。
ご存知の通り、モバイル事業の赤字で苦境が続いています。
借金地獄で解体寸前?!なんて内容の記事が週刊ダイヤモンドからでるなど、その先行きが不安視されています。
でも私は、楽天グループは近い将来きっと黒字転換し、再び輝きを放つ日がくるのではないかと考えています。
先日、そんな楽天グループで働く知人と会話しましたのでそのエピソードを1つ。
そして、2023年12月期決算の内容を見ていきます!
■「楽天モバイルに切り替えませんか?」
とある集まりで、楽天グループで働く方と知り合いました。
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へぇ~、楽天ですか!大企業ですね!
なんて会話から始まり、数分後、その方はおっしゃいました。
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スマホどこ使ってますか?楽天モバイルに切り替えませんか?
と。
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え~、私家族でドコモユーザーなんですよ~。ちなみにそれ、会社から言えって言われてるんですか?笑
と返すと、、
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はい!上司に「楽天モバイル広げてこい!」って言われてます!笑
と。
その方は販売部門ではなく、本社系のお仕事の方でしたので、販売目標もありませんし、契約者が増えても個人の成績が良くなるわけではありません。
ご承知の通り、楽天グループが現在抱える最大の課題はモバイル事業の改善です。
改善すべき経営課題・危機感が明確に認識され、それが一般社員にも浸透し、アクションにもつながっている、そんな印象を受けました。
黒字化までは時間がかかるかもしれませんが、「あ、なんか大丈夫そうだな」と思いました。
楽観的過ぎるかもしれませんが、心配しても仕方ないですし、あとはお任せしましょう!
さて、5/14(火)に第1四半期の決算発表が行われました。
その内容を見ていきましょう。
■2024年12月期第1四半期決算概要
2024年12月期第1四半期の決算概要は以下の通りです。
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・PL
売上高は前年同期比+8.0%の増収で、第1四半期としては過去最高でした。
営業利益は前年同期の▲76,194百万円から▲33,272百万円まで赤字幅が半減でした。
純利益は前年同期の▲82,567百万円から▲42,394百万円まで赤字幅が半減でした。
インターネットサービス、フィンテック、モバイルの3つのセグメントから構成されますが、それぞれの売上高の推移は以下の通りです。
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各セグメント増収でしたが、特にフィンテックが+15.1%と伸びました。
楽天カードや楽天証券などの取扱拡大が寄与しました。
セグメント別のNon-GAAP営業利益の推移は以下の通りです。
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フィンテックは楽天ペイメントの営業黒字化などにより+47.4%の大幅増益でした。
モバイルは赤字ながら、損益は+307億円と改善しました。
2018年以来の四半期売上高、営業利益・純利益、利益率の推移は以下の通りです。
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今後も、売上高や利益の推移を長い目線で観察していきたいと思います。
・BS
総資産は前期末比+1,225,490百万円(1.2兆円)増加しました。
「証券事業の金融資産」が+781,959百万円増加したことが主な要因で、新NISA開始が背景でしょう。
自己資本は前期末比+16,008百万円増加しました。
純利益が赤字にもかかわらず自己資本が増加したのは「その他の資本の構成要素」が+53,570百万円増加(174,958百万円→228,528百万円)ためで、これは為替が円安に振れたことによる為替換算調整勘定の変動によるものです。
実質的には自己資本は減少しています。
2018年以来の資産合計・自己資本・自己資本比率の推移、現金・有利子負債の推移は以下の通りです。
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BSについても長期の視点で変化を観察していきましょう。
■おわりに
モバイル事業に注目が集まる楽天グループ。
黒字化にはまだ時間がかかりそうではありますが、損益は着実に改善してきています。
黒字化のために必要な契約回線数は800万回線以上と言われ、年内の達成を目指しています。
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23Q4から24Q1にかけた増加ペースを見ると、年内の達成は難しく、2025年中の達成なのかなと思っていますが、社員一丸で取り組んでいる様子は感じましたので、達成することを期待したいと思います。
モバイル事業を最も注目しつつ、本業の楽天経済圏の成長や社債償還のための財務戦略もとても気になる楽天グループ。
圧倒的な存在感を放つ企業として輝く日を楽しみに、今後の決算も継続的に観察していきたいと思います。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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