【クロロックス】22/8/3決算発表内容と私の投資戦略

決算と私の投資戦略

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。

日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは米・日用品大手のクロロックス(ティッカーシンボル:CLX)です。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は6月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は183億ドル、従業員数は9,000人です。

日本人にとっては馴染みのない会社だと思います。

2020年4月に配信されていたバフェット太郎さんのYouTube動画で、米国の優良株として紹介されていたことが、この会社を知ったきっかけです。

動画の中で、同社は以下のように紹介されていました。

・1913年創業の老舗家庭用品メーカー
・洗濯用洗剤や漂白剤を製造
・8割以上の製品が米国内で1位~2位のシェア
・売上高に占める国内比率は8割強で米国の消費者になじみのあるブランド
・業績は景気に左右されにくい
・安定したフリーキャッシュフローが見込め、持続的な配当が見込める
・43年連続増配の配当貴族銘柄でバイ&ホールドに適している

高成長は期待できない業種かと思いますが、「連続増配の高配当銘柄」ということは非常に魅力的であり、注目しています。

なお、現在私はクロロックスの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/8/3(水)に発表した2022年4~6月期(第4四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【各数値の定義】(財務諸表のどの数値からとっているか) 売上高:Net sales
営業利益:Earnings before income taxes
純利益:Net earnings(losses) attributable to Clorox
資産合計:Total assets
自己資本:Total stockholders’ equity
現金:Cash and cash equivalents
有利子負債:Current maturities of long-term debt, Long-term debt
営業CF、投資CF、財務CF:非開示

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q4の売上高は前年同期比▲0.1%、営業利益は同+27.7%、純利益は同+4.1%でした。
通期の売上高は前年同期比▲3.2%、営業利益は同▲32.6%、純利益は同▲34.9%でした。

通期で見ると減収減益ではありますが、Q4では営業利益・純利益が増益となるなど、物流コストの増加、原油高という環境下でも回復の兆しをみせました。

通期の製品別の売上構成比は以下の通りです。

Q4売上高の増収率を製品別に見ると以下の通りです。

・Health and Wellness :▲5.2%(670百万ドル → 635百万ドル)
・Household     :+3.6%(560百万ドル → 580百万ドル)
・Lifestyle      :+0.7%(290百万ドル → 292百万ドル)
・International    :+4.3%(282百万ドル → 294百万ドル)

最も構成比の高いHealth and Wellnessの売上高が減収と足を引っ張りました。

過去10年(2013年6月期~2022年6月期)の売上高・営業利益・純利益・EPSの推移は以下の通りです。

前期・今期とEPSが低下しています。

●収益性のチェック

Q4の売上高営業利益率は7.2%、売上高純利益率は5.6%でした。
通期の売上高営業利益率は8.5%、売上高純利益率は6.5%でした。

いずれも目安の15%、10%には届きませんでした。
Q4の利益率は通期に比べて弱い結果となりました。

過去10年(2013年6月期~2022年6月期)の利益率の推移は以下の通りです。

ここ2年間、利益率の低下が見受けられます。

ROEは63.4%でした。
目安の15%を大きく上回りました。

●安全性のチェック

自己資本比率は11.8%でした。
保有している現金は183百万ドル、有利子負債は2,474百万ドルと、有利子負債が現金の13.5倍と大きく上回りました。


自己資本比率の低さ、有利子負債の多さは不安材料です。

過去5年(2018年6月期~2022年6月期)の貸借対照表の推移は以下の通りです。

自己資本比率の低さはこちらのグラフでもよく伝わります。
過去5年純資産はほとんど増えていません。

短期的な安全性を示す流動比率(流動資産÷流動負債×100)は96.6%と、安全の目安とされる100%にわずかに届きませんでした。

流動資産のうち、755百万ドル(流動資産の44%)が「在庫・棚卸資産」(Inventories)であり、これらが不良在庫にならず、資産としての価値を持っているか、注意が必要です。

固定資産が資産合計の72%と多いですが、うち1,558百万ドル(固定資産の35%)が「のれん」(Goodwill)であり、これが本当に資産価値のあるものか、注意が必要です。

固定負債も大きいですが、これの主な内容は長期借入金(Long-term debt)です。

BSを見る限り、不安な要素がいくつかあるなと感じます。

●キャッシュ創出力のチェック

キャッシュフロー計算書は非開示のため、割愛します。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

業績予想に対する達成度は売上高:99.2%、純利益:94.4%でした。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期は売上高:▲0.7%、純利益:+2.6%と予想されています。

純利益は増益になってはいるものの、2020年6月期や2021年6月期の金額と比べるとかなり低調な水準です。

■株価水準とチャートの動き

8/19(金)の終値は148ドルです。PERは40倍です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

コロナ禍での衛生意識の高まりもあり2020年の年初から前半にかけて株価は大きく上昇しましたが、その後は利益の伸び悩みもあり、下落しました。

直近3期(2020年6月期~2022年6月期)の純利益の推移を見れば、このチャートの動きもうなずけます。

チャートは完全に下落トレンドとなっていますので、来期もさえない業績が続けば、一層の下落もありそうです。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

通期では減収減益の1年となりました。
物流コストの増加、原油高という環境の中で、厳しい1年となりました。


過去10年間のEPSの推移、利益率の推移からもわかるように、前期・今期と低迷が続いており、株価は下落トレンドをたどっています。

ただしその割にPERは40倍と高く、来期の業績進捗によっては、今後株価はまだまだ下落する可能性があるのではないかと思っています。

今回初めてBSを図解してみて、自己資本比率の低さ、有利子負債の多さ、在庫やのれんの資産価値、色々と不安な面があると感じました。

連続増配企業という株主還元意識の高さや3%を超える配当利回りの高さは魅力的で張りますが、業績や財務面での不安がありますので、株価が狙った価格まで下げるまで、じっくり静観しようと考えています。

買付の目安は120ドル(現在の株価▲19%の水準)です。
ここまで下がれば配当利回りは3.9%ほどとなり、配当狙いの投資対象としてはありではないでしょうか。

以上が私の戦略です。

■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。

上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!

お読み頂きありがとうございました!


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■参考:同社に関する過去の記事

【クロロックス】22/5/2決算発表内容と私の投資戦略
※22/5/2(月)に発表した2022年1月~3月期(第3四半期)決算についての記事です。
【クロロックス】22/2/3決算発表内容と私の投資戦略
※22/2/3(木)に発表した2021年10月~12月期(第2四半期)決算についての記事です。

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