【ウォルマート】21/11/16決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

私は毎年資産+10%達成を目標に投資に励むサラリーマン投資家です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマート インク(ティッカーシンボル:WMT)です。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は1月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は4,086億ドル、従業員数は1,600,000人です。

日本では西友の株式の15%を保有し、楽天とも提携して「楽天西友ネットスーパー」という形でビジネスを展開しています。
実は私たちの生活に身近な銘柄でもありますので、これから注目していこうと思っています。
なお、現在私はウォルマート インクの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2021/11/16(火)に発表した2021年8~10月期(第3四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算内容】(単位:百万ドル)

売上高 (Revenue):140,525(前年同期:134,708 前年同期比:+4.3%)
営業利益(Operating income):5,792(前年同期:5,778 前年同期比:+0.2%)
純利益 (Consolidated net income attributable to Walmart):3,105(前年同期:5,135 前年同期比:▲39.5%)
資産合計(Total assets):244,851(前期末:252,496)
自己資本(Total Walmart shareholders’ equity):82,274(前期末:80,925)
現金  (Cash and cash equivalents):16,111(前期末:17,741)
有利子負債(Short-term borrowings, Long-term debt within one year, Long-term debt):38,447(前期末:44,533)
営業CF(Net cash provided by operating activities):+16,291(前年同期:+22,880)
投資CF(Net cash used in investing activities):▲1,530(前年同期:▲6,507)
財務CF(Net cash used in financing activities):▲18,113(前年同期:▲11,340)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性②収益性③安全性④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100 ※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+4.3%でした。
営業利益は同+0.2%でした。
純利益は同▲39.5%でした。

売上高は+4.3%と指標の+10%には届きませんでした。
あまり金額は気にしないのですが、ウォルマートの売上高は1,405億ドル、日本円で約16兆円です!
四半期でこの売上高です。規模の大きさがすごいですね。
今期は食料品の売上が好調だったようです。
営業利益はほぼ横ばい、純利益は▲39.5%と大きく下落しました。
原油高や物流コスト増加の影響が要因のようです。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は4.1%、売上高純利益率は2.2%、ROEは16.4%でした。

利益率は目安としている指標を下回りました。
過去3年の利益率を見ると、売上高営業利益率は3.3%、3.9%、2.5%、売上高純利益は1.3%、2.8%、2.4%ですので、収益性は例年低い水準です。
ROEは年換算で16.4%と指標の15%を上回りました。

●安全性のチェック

自己資本比率は33.6%でした。
保有している現金は16,111、有利子負債は38,447でした。
有利子負債が大きく上回っています。
前期末と比べると現金は▲1,630(17,741→16,111)と減少しましたが、有利子負債は▲6,086(44,533→38,447)とそれ以上に減少していますので、財務の安全性は高まりました。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+16,291と、キャッシュインとなりました。
営業利益5,792を超えてのキャッシュインとなりました。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

売上高の進捗度は73.5%でした。純利益の進捗度は70.9%でした。
(営業利益は予想がないため割愛します。)
いずれもQ3の目安の75%には届きませんでした。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の会社発表の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の売上高成長率は+3.1%、純利益成長率は+29.4%と予想されています。
(営業利益は業績予想がないため割愛します。)

売上高の伸びは弱いものの、来期は増収増益予想です。
過去3年の実績を見ると、売上高は+1~6%ほどの増収で推移、純利益は増益だったり減益だったりムラあり、という感じですね。

■株価水準とチャートの動き

11/26(金)の終値は144ドルです。PERは28倍です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価情報を抜粋

過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

過去5年、安定して右肩上がりで株価は上昇していますが、2021年に入ってから株価は横ばいの状態です。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

四半期での売上高が約16兆円と、これだけ規模が大きな企業になると、+10%の成長を期待するのは酷ですね。
「5年で株価2倍」を期待する成長銘柄というより、安定した売上高推移、安定したキャッシュフローを背景に、満足できる配当を期待して保有する対象の銘柄なのかと思います。

ただ、配当利回りは1.5%程で、配当を狙っていくには物足りない水準です。
どういう考え方でこの銘柄を買うのか、何を期待してこの銘柄を買うのか、現時点では方針が定まらないところです。
もし株価が100ドルくらいまで下がることがあれば(現在の株価▲31%)、配当利回りは2.2%になり、株価が現在の水準まで戻れば+50%の値上がり益は狙えますので、配当+値上がり益の合わせ技で買いに行くのもありかなと考えています。

ただし、現在の株価から▲31%の水準となると、同社だけの理由ではなく、相場全体が下げた時だと思うので、そうなると同社以外に他に狙っている有望銘柄の株価も下げていると思うので、そちらを狙いたくなるかもしれませんね。
私が同社の株を手に入れる可能性は結構低いかもしれません。

以上が私の戦略です。
とはいえ世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、同社の業績は米国の消費の力強さを映す鏡でもあると思いますので、消費意欲の温度感を感じる一つのものさしとして、今後の決算発表も注目していきたいとは思っています。

■まとめ

長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました!

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、上記のような観点で継続的に観察を続けています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指して日々観察をしています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!

ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

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