【チャームケア】22/2/7決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

今日はチャームケアの決算を
チェックしていきましょう♪

去年から随分株価落ちてるよな~

そうなんですよね。
ここまで下がるとは思ってなかったですよ。

保有してる銘柄だから
楽観的になっちゃってんだな~

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri


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通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは近畿圏や首都圏で介護付有料老人ホーム事業を展開するチャーム・ケア・コーポレーション(証券コード:6062)です。(以下、チャームケア)
東証1部上場で、決算期は6月です。
4月からの新市場区分では「プライム市場」に区分されます。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は490億円、従業員数は連結で1,567名です。

『「豊かで実りある高齢社会」づくりに貢献します。』という使命(ミッション)を掲げる同社は、なかなか珍しい6月決算の会社です。

私がこの会社に注目している理由は、
①日本が高齢化社会になるのは確実で、その中で高齢者にとって必要とされるビジネスは伸びていくと考えているから
②展開エリアを絞るドミナント戦略をとっているから
③シニアベンチャーで会社を興した下村社長のパッションが素晴らしいと思うから
です。

現在私はチャームケアの株を200株保有しています。

■決算発表内容の概要

2022/2/7(月)に発表した2022年6月期第2四半期決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算発表内容】(単位:百万円)
売上高  :12,511(前年同期:11,365 前年同期比:+10.1%)
営業利益 :     889(前年同期: 1,115 前年同期比:▲20.3%)
純利益  :     553(前年同期:    796 前年同期比:▲30.5%)
資産合計 :35,797(前期末:28,598)
自己資本 :  9,996(前期末:11,075)
現金   :  2,923(前期末:  5,941)
有利子負債:13,628(前期末:  8,058)
営業CF  : +407(前年同期:+1,603)
投資CF  :▲6,363(前年同期: ▲1,084)
財務CF  :+2,939(前年同期:    ▲187)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+10.1%でした。
営業利益は同▲20.3%、純利益は同▲30.5%でした。

売上高は指標の+10%を越えた一方で、営業利益・純利益は減益となりました。
今期は新規に8ホームの開設が予定されており(前期新規開設は5ホーム)、連結子会社化する株式会社ライクの4ホームもQ2から連結数値に取り込まれ、売上高への貢献が期待されます。

開設2年目を経過した既存ホームの入居率は93.7%(前年同期:95.7%)でした。
前期末までの入居率の推移は以下の通りです。
入居スピードが比較的遅い高価格帯ホームの新規開設が増えてきたやコロナの影響により入居率は下落傾向ではありますが、90%を超える高い水準を維持しています。

※同社の決算説明資料より抜粋

下降気味じゃね?

ホーム数も増えてますからね。
90%超えてるんで、十分に高いと思いますよ!

営業利益以下が減益の要因は、前期より進めているIT化促進、教育・研修改革に伴う費用の増加などが挙げられます。

また、今期より「収益認識に関する会計基準」が適用となりました。
これにより、売上高・利益がこれまでより先送りされる形となったことで、業績をより弱く見せています。
前年同期にも収益認識基準を適用したと仮定した場合は、売上高+12.2%、営業利益▲1.3%、純利益▲15.9%となります。

しゅうえきにんしき?
なんじゃそりゃ?

今年度から適用になった会計の考え方ですね。
今まで入居時に一括で売上高に計上していた入居一時金が
平均入居期間に渡り均等に計上されることになりました。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は7.1%、売上高純利益率は4.4%、ROEは11.1%でした。
いずれも指標を下回り、収益性は決して高いとは言えません。

なお、過去5年間の利益率の推移は以下の通りです。
売上高営業利益率:8.2%、7.8%、8.6%、9.7%、8.8%
売上高純利益率 :4.9%、4.5%、6.1%、6.1%、6.7%
過去の数値からすると今期の数値は物足りないものがありますが、下期の巻き返しを期待しています。

●安全性のチェック

自己資本比率は27.9%でした。
現金2,923に対し、有利子負債は5,570と、有利子負債が上回りました。

前期末から、現金は▲3,018減少し、有利子負債は+5,570増加しました。
これまで蓄積してきた現金に、借入を加え、ホーム開設のための投資を行ったためです。
財務体質としては悪化しました。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+407と、キャッシュインとなりました。
営業利益889は下回りました。

キャッシュの動きで目立つのは投資CFの大きさ(▲6,363)です。
特に大きな要因は「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」(=株式会社ライクの子会社化)(▲4,439)と、有形固定資産の取得による支出(▲1,376)です。
いずれも将来の売上増加につながると期待できる投資です。
投資した先から今後キャッシュを生み出していけるかがポイントになります。

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

売上高の進捗度は41.7%でした。
営業利益の進捗度は30.3%でした。
純利益の進捗度は18.4%でした。

いずれもQ2の目安である50%には届きませんでした。
今期業績予想は下期偏重であり、上期・下期では以下のように予想されていました。

売上高 : Q2:12,950 Q4:30,000  上期:下期=43:57
営業利益: Q2: 1,000  Q4:  2,930  上期:下期=34:66
純利益 : Q2:  950       Q4:  3,000  上期:下期=32:68

上期は当初計画よりもやや弱い着地となりました。
純利益が13ポイント程乖離しているのはQ2に予定されていた固定資産譲渡による特別利益(770)の計上がQ3にずれ込んだためです。
もし特別利益が計上されていた場合、上期進捗度は44.1%になります。
時期が少し後ろにずれただけですので、特に問題はないと考えています。

■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性

会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

今期の会社発表業績予想から、来期の四季報発表業績予想への成長性を見ていきます。
売上高は+30.0%、営業利益は+28.0%、純利益は+16.7%です。

この数値は1Q時点から変更ありません。
大幅な増収増益で、売上・利益ともに過去最高の予想がたてられています。
来期は13ホームの新規開設が予定されていますが(今期は8ホーム)、すでに10ホームの着工が始まっています。

■株価水準とチャートの動き

2/8(火)の終値は1,070円。PERは11倍です。

過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

小刻みな上げ下げはありながらも、概ねきれいな右肩上がりです。
ビジネスモデルから、業績が見込みやすい、計画から大きくブレにくいという特徴があり、株価も事業成長に歩調を合わせるような推移となっています。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

Q2は増収減益の決算となりました。
特に営業利益は▲20%、純利益は▲30%と大きく減益となりました。
通期業績に対する進捗も売上高41%、営業利益30%、純利益18%と、あまりよくはありません。
おそらく市場にはネガティブな結果と映ったのではないでしょうか。
決算発表翌日の2/8(火)の株価は▲6%下落しました。

ただし、私はあまりネガティブだとは思っていません。
保有中の銘柄のため、ついついポジティブに見てしまいがちなところもあるかもしれませんが、市場の反応ほど悪くはない、今は一時的に悪く見えてしまう要素が揃っているだけ、と考えています。

確かに業績予想に対する進捗度は良くありませんが、もともと下期偏重の計画です。
特に純利益の進捗が18%と弱く見えますが、Q2に予定されていた固定資産譲渡による特別利益計上がQ3にずれこんだだけで、心配していません。
特別利益がQ2に計上されていた場合、むしろ当初計画を上回った着地でしたし、Q3には純利益の進捗は計画並みに盛り返すと思っています。

「収益認識に関する会計基準」の適用によって前期との比較が弱く見えることもネガティブに働いていると思います。
これはあくまで会計上の話であって長期的に見れば売上高や利益は変わりません。
特に今期は、適用前の前期と適用後の今期という一番ギャップが大きくでる年です。
来期になれば、こういったギャップはかなり埋まっていくはずです。
新規施設増加による入居率の低下、連結子会社化したライクが成長の足かせにならないか、介護人材不足による人件費増加、といった不安要素はありますが、それ以上に期待が大きいと感じる銘柄です。

もし株価が下がるのであれば、今は同社の株を安く仕込む大きなチャンスだと考えています。
PERも11倍と割安です。
特に次のQ3決算発表までがチャンスになるのではないかと考えています。
1,000円(現在の株価▲7%)まで下落したら、第1弾の追加購入を検討し、さらに900円(現在の株価▲16%)まで下落したら第2弾の追加購入を検討しようと思っています。
以上が私の戦略です。

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■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

私が銘柄選びの基準や、仕掛けるタイミング、投資に対する考え方について参考にしている書籍は以下の通りです。
よろしければ読んでみて下さい。

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毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

■参考:同社に関する過去の記事

【チャームケア】21/11/8決算発表内容と私の投資戦略
※21/11/8(月)に発表した2022年6月期第1四半期決算についての記事です。

【銘柄研究!】本日の気になる銘柄~チャーム・ケア・コーポレーション
※21/8/6(金)に発表した2021年6月期第4四半期決算についての記事です。

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