【ニューモント】22/4/22決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは鉱山会社のニューモント(ティッカーシンボル:NEM)です。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は573億ドル、従業員数は14,400人です。

金の産出量 は世界第1位を誇ります。
事業内容は金、銀、銅、亜鉛、鉛の生産と探査で、米国の他、カナダ、メキシコ、ドミニカ共和国、ペルー、スリナム、アルゼンチン、チリ、オーストラリア、ガーナで展開しています。

私がこの会社に注目している理由は、
①日本市場では投資できない興味深い投資先テーマだから
②金価格に連動する金鉱株に興味があるから
です。
なお、現在私ニューモントの株は保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/4/22(金)に発表した2022年1~3月期(第1四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算内容】(単位:百万ドル)
売上高 (Sales):3,023(前年同期:2,872 前年同期比:+5.3%)
営業利益(Sales-Costs and expenses):799(前年同期:856 前年同期比:▲6.7%)
純利益 (Net income(loss) attributable to Newmont stockholders):448(前年同期:559 前年同期比:▲19.9%)
資産合計(Total Assets):39,913(前期末:40,564)
自己資本(Newmont stockholders’ equity):21,449(前期末:22,022)
現金  (Cash and cash equivalents):4,272(前期末:4,992)
有利子負債(Debt):5,566(前期末:5,652)
営業CF(Net cash provided by(used in) operating activities):+694(前年同期:+841)
投資CF(Net cash provided by(used in) investing activities):▲519(前年同期:▲350)
財務CF(Net cash provided by(used in) financing activities):▲895(前年同期:▲511)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q1の売上高は前年同期比+5.3%、営業利益は同▲6.7%、純利益は同▲19.9%でした。

前年通期でも営業利益は▲55.2%、純利益は▲58.8%と減益でしたので、減益の流れが継続していますが、減益率は改善しています。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は26.4%、売上高純利益率は14.8%でした。

直近4年間(2018年12月期~2021年12月期)の通期利益率の推移は以下の通りです。
売上高営業利益率:10.9%、13.1%、24.4%、10.3%
売上高純利益率 : 4.7%、28.8%、24.6%、 9.5%
年によって利益率にムラがあります。

ROEは8.4%でした。

●安全性のチェック

自己資本比率は53.7%でした。
保有している現金は4,272、有利子負債は5,666と、有利子負債が現金を上回りました。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+694、キャッシュインとなりました。
営業利益799は下回りました。
財務CFは▲895と営業CFを上回りました。

キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。


「営業CF:+ 投資CF:- 財務CF:-」ということで、符号だけ見ると正常な循環ではありますが、財務CFが営業CFを上回ってしまっているため、現金は期首から減少しました。

投資CFの主な内容は、配当金の支払い(Dividends paid to common stockholders:▲436)と非支配株主持分の買収(Acquisition of noncontrolling interests:▲300)です。
(買収については投資CFに入れるべきだと思うのですが・・・)

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

業績予想に対する達成度は売上高:16.9%、純利益:19.0%でした。
目安の25%を下回りました。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の成長率は売上高:+1.1%、純利益:+9.8%と予想されています。
いずれも指標の+10%には届きませんでした。

■株価水準とチャートの動き

5/3(火)の終値は72ドルです。PERは23倍です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

コロナ前の2017~2019年は30ドルから40ドルのレンジの中での動きでしたが、コロナ禍となり株価が大きく跳ね上がりました。
同社のような金鉱株は金(Gold)の価値上昇と同じように動く傾向にありますが、コロナ禍での各国でのバラマキ政策により法定通貨の価値が下がり相対的に金(Gold)の価格が上昇したことが大きな要因かと思われます。
株価の値動きが大きいのも同社の特徴で、業績とともに市況の影響を大きく受けやすい印象です。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

増収減益、業績予想に対する進捗も芳しくないQ1スタートとなりました。
同社の利益構造には、「オペレーティング・レバレッジ」と呼ばれる特徴があります。

金の採掘コストがある程度固定的なため、売上高がある一定のバーを越えると一気に利益率が高まる、逆に、そのバーを越えないと利益が大きく減少する、というものです。

過去7年間の売上高・営業利益・純利益の推移は以下の通りです。
売上高は比較的順調に右肩上がりですが、利益は増えたり減ったり、ブレが大きく不安定なことがわかります。

通常、投資をする際はその企業の業績や財務状態を重視して行いますが、同社については業績よりも市況や株価の動きに着目して、投資の判断をしようと考えています。
同社は株価の変動幅が大きく、市況によって大きく下落することもあれば、大きく上昇することもあるのが特徴です。
現在株価は高い局面ですが、5年程度のスパンで待てば、また大きく下落することもあると思っています。
そして一旦下落しても、また上昇する日が来ると思っています。
しばらくは静観し、45ドル(現在の株価▲37%)を目安にじっくり待ちたいと思います。
以上が私の戦略でした。

■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

■参考:同社に関する過去の記事

【ニューモント】22/2/24決算発表内容と私の投資戦略
※22/2/24(木)に発表した2021年10月~12月期(第4四半期)決算についての記事です。
【ニューモント】21/10/28決算発表内容と私の投資戦略
※21/10/28(木)に発表した2021年7月~9月期(第3四半期)決算についての記事です。

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