個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
株式投資を学ぶならファイナンシャルアカデミー■本日のチェック銘柄
今日チェックするのはビジネスチャット事業を展開するChatwork(証券コード:4448)です。
東証グロース市場上場で、決算期は12月です。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は149億円、従業員数は連結で291名です。
同社のコーポレートミッションは「働くをもっと楽しく、創造的に」です。
私がこの会社に注目している理由は、ビジネスチャットはビジネスにおけるインフラとしてなくてはならない存在になり得ると考えているからです。
現在私はChatworkの株を300株保有しています。
いずれも今年に入ってから、3回に分けて買付しました。
■決算発表内容の概要
2022/11/11(金)に発表した2022年12月期第3四半期決算の主な内容は以下の通りです。
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比+43.1%でした。
営業利益は前期▲340百万円から今期▲474百万円と、赤字幅が拡大しました。
純利益は前期▲341百万円から今期▲445百万円と、赤字幅が拡大しました。
主力であるChatworkセグメント売上高はQ3四半期では+32.1%、Q3累計では+46.4%と、累計ではKPIとして掲げているCAGR40%を上回っての成長となりました。
Chatworkセグメント売上高の構成要素である登録ID数も前年同期比+18.1%、1日当たりのサービス利用者(Daily Active User:DAU)は同+9.0%でした。
●収益性のチェック
営業利益、純利益ともに赤字のため、収益性のチェックは割愛します。
●安全性のチェック
自己資本比率は58.8%でした。
現金2,755百万円に対し、有利子負債は683百万円と、現金が有利子負債を上回りました。
過去4年(2018年12月期~2021年12月期)と今期Q3の貸借対照表の推移は以下の通りです。
2021年12月期に貸借対照表の規模が大きくなっています。
これは2021年Q3からクラウドストレージ事業が連結対象となったこと、2021年12月に20億円の増資を実施したことによるものです。
●キャッシュ創出力のチェック
Q3ではキャッシュフロー計算書は非開示のため、割愛します。
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
今回の決算発表では、前回8月に発表された通期業績予想が以下の通り上方修正されました。
売上高は当初予想の上限額に、営業利益・純利益は当初予想の赤字幅より縮小する見通しとなりました。
赤字幅が縮小した要因は、「施策の選別を行った結果、人件費と業務委託費が抑えられた」と説明されています。
修正後の通期予想に対する売上高の進捗度は72.8%でした。
営業利益は通期予想▲816百万円に対し、▲474百万円でした。
純利益は通期予想▲782百万円に対し、▲445百万円でした。
■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性
会社四季報から、来期の業績予想を見ていきます。
この四季報は9月発売時点での情報であるため、今回の上方修正は反映されていません。
今回の上方修正を受けて、次回12月発売の四季報で来期予想がどのように修正されるか、注目です。
参考までに、上方修正後の今期業績予想から、来期の四季報業績予想へは、売上高:+42.4%となっています。
■株価水準とチャートの動き
11/18(金)の終値は569円。純利益が赤字のためPER情報はありません。
上場来の株価の動き(週足)は以下の通りです。
2019年9月の上場後半年もしないタイミングでコロナショックに直面したものの、その後テレワーク増加によるチャット普及期待などもあり、上場来高値の2,624円まで上昇しました。
しかし、その後業績の赤字転落もあり、株価は大きく調整し、最高値から▲88%の311円まで沈みました。
今回の決算発表での当期予想上方修正を受け、株価は翌週1週間で+38.1%と急騰しました。
まだ黒字転換したわけではないですし、さすがに一気に上がり過ぎかなという印象ですが、今後も上昇していくことを期待したいです。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
売上高は+43.1%と大幅増収、営業利益・純利益は赤字幅拡大、という決算でした。
中期経営計画でも2024年までは投資フェーズと掲げていますので、営業利益・純利益の赤字は織り込み済みです。
投資を優先するため営業利益・純利益の赤字は来期以降も続くと思いますが、中途半端に黒字にするのではなく、売上高の伸び、特にChatworkセグメントの拡大にフォーカスして経営されるようであれば、将来の大きな成長が期待できると考えていますので、今後の業績推移をじっくり見守りたいです。
ビジネスチャットの国内普及率は18.1%と、まだまだ開拓余地があります。
コロナ禍をきっかけに増加した在宅勤務やDX推進の流れは間違いなく追い風です。
私が勤める会社では、Chatworkとは別の会社のチャットシステムが導入されています。
使い始めて4年ほどたちますが、気軽なコミュニケーションツールとしてとても重宝しており、今後もなくなることはないでしょう。
また、過去のやり取りの履歴はとても大切で、他社のチャットシステムに切り替えるハードル、スイッチングコストも高いと感じています。
ビジネスチャットが広がりを見せる今積極的に投資をする同社の姿勢は、将来の大きな果実につながる可能性を感じており、好感が持てます。
社員間のコミュニケーションに課題を感じる会社はますます増えていくと思いますので、今後の成長を期待しています。
今年に入ってから、2月、3月、5月と100株ずつ買付し、現在300株保有しています。
第2次買付は第1次買付から▲28%下落時、第3次買付は第2次買付から▲22%下落時と、マイルールを守りながら少しずつ買い増ししてきました。
私のマイルールを以下の記事にまとめています。
「買付のマイルール」として、追加買付してもOKな株価下落率を決めています!
参考:★規律ある長期投資家を目指して★個別株投資8つのマイルール
・【Chatworkを新規買付!】今週の株式投資ポートフォリオ振り返り#220218
・【ビヨンドミート・Chatworkを追加買付!】今週の株式投資ポートフォリオ振り返り#220311
・【Chatworkを追加買付!】今週の株式投資ポートフォリオ振り返り#220527
2024年までは投資フェーズですので、今後も赤字が続けばさらに株価が下落するかもしれません。
次の買付のターゲットは300円です。
将来の成長性を感じていますので、短期的な株価に一喜一憂せず、安くなればチャンスととらえて狙っていきたいです。
一方で、やみくもに追加買付を続けるのは危険ですので、取得原価に占める同社の比率を5%程度以内に抑えるように意識しながら、判断をしていきたいと思います。(現在は約3%)
これが私の戦略です。
■おわりに
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
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■参考:同社に関する過去の記事
・【四季報活用術】連続赤字からの黒字転換銘柄を狙おう!
※連続赤字から黒字転換を期待できる銘柄として、Chatworkを紹介しています。
・【Chatwork】22/8/12決算発表内容と私の投資戦略
※22/8/12(金)に発表した2022年12月期第2四半期決算についての記事です。
・【Chatwork】22/5/13決算発表内容と私の投資戦略
※22/5/13(金)に発表した2022年12月期第1四半期決算についての記事です。
・【Chatwork】22/2/10決算発表内容と私の投資戦略
※22/2/10(木)に発表した2021年12月期第4四半期決算についての記事です。
・【Chatwork】21/11/12決算発表内容と私の投資戦略
※21/11/12(金)に発表した2021年12月期第3四半期決算についての記事です。
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