【ニューモント】22/2/24決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

今日はニューモントの決算をチェックしていきましょう♪

金鉱株、随分上がっちゃってるんじゃない?

そうそう、インフレも進んでるし、金の価格に合わせて随分上がっちゃってるんですよね。
FRBの利上げで株価も上下動しやすそうだし、しばらくは手を出さないつもりです。

そうねー、賢明賢明。

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは鉱山会社のニューモント(ティッカーシンボル:NEM)です。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は538億ドル、従業員数は14,400人です。

金の産出量 は世界第1位を誇ります。事業内容は金、銀、銅、亜鉛、鉛の生産と探査で、米国の他、カナダ、メキシコ、ドミニカ共和国、ペルー、スリナム、アルゼンチン、チリ、オーストラリア、ガーナで展開しています。

私がこの会社に注目している理由は、
①日本市場では投資できない興味深い投資先テーマであるから
②金価格に連動する金鉱株に興味を感じているから
です。
なお、現在私ニューモントの株は保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/2/24(木)に発表した2021年10~12月期(第4四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算内容】(単位:百万ドル)
・売上高 (Sales):3,390(前年同期:3,381 前年同期比:+0.3%)
・営業利益(Sales-Costs and expenses):▲626(前年同期:920 前年同期比:-)
・純利益 (Net income(loss) attributable to Newmont stockholders):
  ▲46(前年同期:824 前年同期比:-)
・資産合計(Total Assets):40,564(前期末:41,369)
・自己資本(Newmont stockholders’ equity):22,022(前期末:23,008)
・現金  (Cash and cash equivalents):4,992(前期末:5,540)
・有利子負債(Debt):5,652(前期末:6,031)
・営業CF(Net cash provided by(used in) operating activities):
 +1,299(前年同期:+1,686)
・投資CF(Net cash provided by(used in) investing activities):
  ▲351(前年同期:▲411)
・財務CF(Net cash provided by(used in) financing activities):
  ▲595(前年同期:▲561)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q4の売上高は前年同期比+0.3%でした。
営業利益は前期920から、今期▲626に赤字転換しました。
純利益は前期824から、今期▲46に赤字転換しました。

通期の売上高は前年同期比+6.3%でした。
営業利益は同▲55.2%でした。
純利益は同▲58.8%でした。

通期と比べると、Q4が弱い結果でした。

●収益性のチェック

Q4は営業利益、純利益はいずれも赤字のため、収益性のチェックは割愛します。
通期の売上高営業利益率は10.3%、売上高純利益率は9.5%でした。

前年通期では、売上高営業利益率24.4%、売上高純利益率24.6%でしたので、利益率は悪化しました。

ROEは5.3%でした。

●安全性のチェック

自己資本比率は54.3%でした。
保有している現金4,992に対して、有利子負債は5,652と、有利子負債が現金を上回りました。

●キャッシュ創出力のチェック

Q4の営業CFは+1,299
営業利益は赤字でしたが、キャッシュインとなりました。

通期の営業CFは+4,279
営業利益1,257を上回るキャッシュインとなりました。
営業CFは前年も大きくプラスと、安定したキャッシュ創出力が継続しました。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

業績予想に対する達成度は売上高100.2%、純利益は68.4%でした。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の売上高成長率は+3.9%、純利益成長率は+106.0%です。
純利益は大幅増益の予想となっていますが、今期が大幅減益でしたので、2年前の純利益の額には届いていません。

■株価水準とチャートの動き

2/25(金)の終値は67ドルです。
来期純利益予想から計算するとPERは23倍程度になるかと思います。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

コロナ前の2017~2019年は30ドルから40ドルのレンジの中での動きでしたが、コロナ禍となり株価が大きく跳ね上がったことが見て取れます。
同社のような金鉱株は金(Gold)の価値上昇と同じように動く傾向にありますが、コロナ禍での各国でのバラマキ政策により法定通貨の価値が下がり相対的に金(Gold)の価格が上昇したことが大きな要因かと思われます。
株価の値動きが大きいのも同社の特徴で、業績とともに市況の影響を大きく受けやすい印象です。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

通期では増収減益。減益幅は▲50%を超える結果となりました。
Q4では純利益は赤字でした。

同社の利益構造には、「オペレーティング・レバレッジ」と呼ばれる特徴があります。
金の採掘コストがある程度固定的なため、売上高がある一定のバーを越えると一気に利益率が高まる、逆に、そのバーを越えないと利益が大きく減少する、というものです。

過去7年間の売上高・営業利益・純利益の推移は以下の通りです。
売上高は比較的順調に右肩上がりですが、利益は増えたり減ったり、ブレが大きいことがわかります。

金はインフレに強いと言われます。
原油高などにより世界的にインフレ圧力が高まり、さらにロシアによるウクライナ侵攻もあり、金価格は上昇しています。
それに合わせるように、同社の株価も上昇しています。
業績は決していいものではありませんので、業績よりも市況の方が株価により反映されているようです。

ロシアによるウクライナ侵攻により一層のインフレが進むのか、3月以降のFRBの利上げによってインフレが抑えれられるか、それによって金価格にも影響をもたらしますので、しばらくはこの綱引きから目が離せません。

同社は株価の変動幅が大きいため、安易に手を出すのは危険であると感じていますので、しばらくは静観しようと考えています。

3ヶ月前を同じく、45ドル(現在の株価▲33%)を目安にじっくり待ちたいと思います。
以上が私の戦略です。

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■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

私が銘柄選びの基準や、仕掛けるタイミング、投資に対する考え方について参考にしている書籍は以下の通りです。
よろしければ読んでみて下さい。

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毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

■参考:同社に関する過去の記事

【ニューモント】21/10/28決算発表内容と私の投資戦略
※21/10/28(木)に発表した2021年7月~9月期(第3四半期)決算についての記事です。

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