【マクドナルド】22/10/27決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは皆さんご存知、米・ハンバーガーチェーンのマクドナルド(ティッカーシンボル:MCD)です。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の「銘柄サマリー」情報より数値を抜粋すると、時価総額は1,987億ドル、従業員数は200,000人です。

あの投資の神様、ウォーレン・バフェットが、マクドナルドが大好きなことは有名ですね。

私がこの会社に注目している理由は、

グローバルに広がるフランチャイズネットワーク
②圧倒的知名度ブランド力
利益率の高さ高い配当還元意識

があるからです。

なお、現在私は、マクドナルドの株を保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/10/27(木)に発表した2022年7~9月期(第3四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【各数値の定義】(決算書のどの数値からとっているか)
売上高:Total revenues
営業利益:Operating income
純利益:Net income
資産合計:Total assets
自己資本:Total shareholders’ equity(deficit)
現金:Cash and equivalents
有利子負債:Long-term debt
営業CF:Cash provided by operations
投資CF:Cash used for investing activities
財務CF:Cash used for financing activities

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。

優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q3の売上高は前年同期比▲5.3%、営業利益は同▲7.5%、純利益は同▲7.8%でした。
Q3累計の売上高は前年同期比+0.2%、営業利益は同▲14.7%、純利益は同▲27.6%でした。

Q3は減収減益の決算となり、累計でも営業利益・純利益は減益となりました。

コロナ禍からの回復期であった前期2021年12月期通期は売上高が+20.9%、営業利益が+41.4%、純利益が+59.5%と力強い増収増益でしたが、この2022年12月期はロシア事業撤退に伴う費用の計上や、インフレによるコスト上昇など、厳しい事業環境となっています。

2016年からの四半期ごとの売上高推移は以下の通りです。
2020年のQ1,Q2こそコロナ禍で苦戦しましたが、それ以外は安定して5,000百万ドル(50億ドル)を上回っています。

同社の運営形態は直営店とフランチャイズの2つに大きく分かれます。
Q2累計の売上高構成比は、「直営店:フランチャイズ=38:61」とフランチャイズが上回りました。

2016年からの四半期ごとの形態別売上高推移をグラフにすると、以下の通りです。
2016年と比べると、直営店の売上高が減少し、フランチャイズの売上高が増加しています。

●収益性のチェック

Q3の売上高営業利益率は47.1%、売上高純利益率は33.7%でした。

Q3累計の売上高営業利益率は39.3%、売上高純利益率は24.8%でした。

目安としている15%、10%を大きく上回り、非常に高い収益性を示しました。

2016年からの利益率推移は以下の通りです。

売上高営業利益率は低くても25%(20Q2)、多くの期で40%を超えています。

売上高純利益率は、低くても13%(17Q4,20Q2)、多くの期で20%を上回っています。

安定して高い利益率を残しています。

ROEは、自己資本がマイナス(=債務超過状態)のため、計算できません。

●安全性のチェック

自己資本比率は▲13.5%でした。

資産合計を負債合計が上回り、自己資本は▲6,370百万ドル。
負債が資産を上回る、「債務超過」の状態です。

また、現金2,828百万ドルに対し、有利子負債は34,866百万ドルと、なんと手元現金の12.3倍もの有利子負債を抱えています。

過去4年(2018年12月期~2021年12月期)と今期Q3の貸借対照表の推移は以下の通りです。

通常グラフの右下にある「純資産」が左下にあることが債務超過状態を示しています。

黄色の「固定資産」の割合が非常に大きいことがわかります。

固定資産のうち約73%が長期借入金(Long-term debt:34,866百万ドル)です。

かなり有利子負債が多い上に、債務超過となると、一般的には赤信号のシグナルですが、同社についてはそのブランド力高いキャッシュ創出力フリー・キャッシュ・フロー)を背景に、そのような懸念は抱かれていないようです。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+5,185百万ドルと、キャッシュインとなりました。
Q3累計営業利益6,788百万ドルは下回りました。


キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。

営業CFはしっかりプラス(+5,185百万ドル)で、営業CFから投資CFを差し引いたフリーキャッシュフローは+3,578百万ドルと大きくプラスです。

財務CFのマイナス(▲5,063百万ドル)が大きいですが、主な内容は自社株買い(Treasury stock purchases:▲3,407百万ドル)、株式配当(Common stock dividends:▲3,057百万ドル)です。

積極的に株主還元を行っていることがキャッシュフローに表れています。

債務超過にも関わらず、なぜ積極的に株主還元を行えるのか?!

そのからくりについては以下の記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。


参考:債務超過なのに連続増配企業?!米・マクドナルドが倒産しないか心配!

■業績予想に対する進捗度

業績予想に対する進捗度は売上高:75.2%、純利益:70.4%でした。

当期通期の売上高は前期比▲1.2%、純利益は同▲19.5%と予想されています。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の成長率は、売上高:+2.6%、純利益:+25.9%と予想されています。

■株価水準とチャートの動き

11/11(金)の終値は271ドルです。PERは33倍です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2020年のコロナショックでの下落こそありましたが、それ以外は概ね右肩上がりに上昇しています。
今年は多くの銘柄の株価が崩れていますが、同社は最高値圏で推移しており、非常に強さを示しています。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

コロナショックの反動で増収増益となった前期とは対照的に、今期はロシア事業撤退に伴う費用の計上や、インフレによるコスト上昇など厳しい事業環境となっています。

Q3の売上高は▲5.3%、純利益は▲7.8%と、四半期では減収減益でした。

経済活動の正常化で進んでいく一方、世界的なインフレによって個人の財布の紐がだんだんと固くなっていき、同社のようなBtoCビジネスの企業にとっては厳しい事業環境なのではないかと想像しています。


インフレによって売上が伸び悩み、株価が調整してくるようであれば、狙っていきたいです。


連続増配銘柄として株主還元意識の高さは折り紙付きですので、長期保有でコツコツ配当をもらっていくスタンスで、買付を検討していきたいと思っています。

目安は220ドル(現在の株価から約▲19%の水準)と考えています。

この金額で買えれば配当利回りは2.5%程です。

その後の増配や自社株買いも期待できますし、PER27倍程度ですのでいい水準かなと考えています。

ただし、現在は1ドル139円台と円安水準ですので、円安状態が続くようであれば、200ドルあたりまで下がるのを待ちたいと思っています。

以上が私の戦略です。

■おわりに

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。

上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!

ということで、本日は以上です!

お読み頂きありがとうございました!


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■参考:同社に関する過去の記事

【マクドナルド】22/7/26決算発表内容と私の投資戦略
※22/7/26(火)に発表した2022年4月~6月期(第2四半期)決算についての記事です。
【マクドナルド】22/4/28決算発表内容と私の投資戦略
※22/4/28(木)に発表した2022年1月~3月期(第1四半期)決算についての記事です。
債務超過なのに連続増配企業?!米・マクドナルドが倒産しないか心配!
※債務超過にも関わらず増配を続けるマクドナルドの財務のからくり、米国市場が重視するフリー・キャッシュ・フローについての記事です。(22/3/4投稿)
【マクドナルド】22/1/27決算発表内容と私の投資戦略
※22/1/27(木)に発表した2021年10月~12月期(第4四半期)決算についての記事です。

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