【ズーム】22/11/21決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのはビデオ会議サービスを提供するズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ティッカーシンボル:ZM)です。

NASDAQ上場で、決算期は1月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は220億ドル、従業員数は8,422人です。

私がこの会社に注目している理由は
①アフターコロナの世界でも、生産性向上のためのツールとして同社のサービスが存在感を発揮すると考えているから
ビデオ会議サービスでNo.1というシェアの高さ
です。

なお、現在私はズームの株を6株保有しています。

■決算発表内容の概要

2022/11/21(月)に発表した2022年8~10月期(第3四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【各数値の定義】(決算書のどの数値からとっているか)
売上高:Revenue
営業利益:Income from operations
純利益:Net income attributable to common stockholders
資産合計:Total assets
自己資本:Total stockholders’ equity
現金:Cash and cash equivalents
有利子負債:Debt
営業CF:Net cash provided by operating activities
投資CF:Net cash used in investing activities
財務CF:Net cash used in financing activities

■決算発表内容分析のものさし

私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。

優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q3の売上高は前年同期比+4.9%、営業利益は同▲77.1%、純利益は同▲85.8%でした。
Q3累計の売上高は前年同期比+8.1%、営業利益は同▲53.8%、純利益は同▲76.5%でした。

増収減益で、売上高の伸びも目安の+10%を下回りました。
コロナ禍で爆発的に急成長した同社の過去の実績と比べると、随分鈍化しました。

売上高の55.7%を占める法人向け売上高(Enterprise revenue:614.3百万ドル)は前年同期比+20%と好調に推移しました。

法人会員(Enterprise customers)は209,300社となり、前年同期比+14%増加しました。

コロナ禍で個人の利用が爆発的に増加しましたが、現在は大口顧客重視に戦略の舵を切っており、今後はこの法人向け売上高の推移に注目していきたいと思っています。

なお、法人以外の売上高は▲9%の減少でした。


20Q1以降の四半期売上高の推移は以下の通りです。

1月決算会社のため少しわかりにくいですが、「20Q1」は「2020年1月期の第1四半期決算」ですので、2019年2月~4月を指します。

コロナ禍で急激に成長したものの、売上高の伸び悩みが顕著です。

21Q1以降の四半期増収率の推移は以下の通りです。


増収率の下落が続いていますが、そろそろ底を打つのか、法人向け売上高の推移とともに、今後の決算でも注目していきます。

20Q1以降の四半期営業利益・純利益の推移は以下の通りです。

利益も減少が続いており、まだ復調の兆しは見えません。

●収益性のチェック

Q3の売上高営業利益率は6.0%、売上高純利益率は4.4%でした。
Q3累計の売上高営業利益率は11.5%、売上高純利益率は6.3%でした。

四半期、累計共に、利益率は目安の15%、10%に届きませんでした。

Q3累計よりもQ3の利益率が低いことからも、直近の減速感が見て取れます。

20Q1(2019年2月~4月期)以降の利益率の推移は以下の通りです。
直近で利益率は低下傾向です。

ROEは4.8%でした。
目安の15%を下回りました。

●安全性のチェック

自己資本比率は73.4%でした。
保有している現金は1,096百万ドル、有利子負債は0の無借金経営です。
財務の安全性は大変高いです。

20Q1(2019年2月~4月期)以降の資産合計、自己資本、自己資本比率の四半期推移は以下の通りです。

過去4年(2019年1月期~2022年1月期)と今期Q3の貸借対照表の推移は以下の通りです。

コロナ禍の2021年1月期(2020年2月~2021年1月)に、急成長を遂げ、BSの規模は1年で4倍以上になりました。

流動資産が負債合計を大きく上回り、短期的な安全性を示す流動比率(流動資産÷流動負債×100)は324%と、非常に安全性が高いことが図からもよくわかります。

●キャッシュ創出力のチェック

Q3累計の営業CFは+1,063百万ドル、キャッシュインとなりました。
累計営業利益375百万ドルを上回りました。

キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。

財務CFが大きなマイナス(▲949百万ドル)である要因は自社株買い(Cash paid for repurchases of common stock:▲991百万ドル)です。

■業績予想に対する進捗度

業績予想に対する進捗度は売上高:74.6%、純利益:88.2%でした。
今期通期の純利益は上場来初の減益予想となっています。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の成長率は、売上高:+5.7%、純利益:▲52.8%と予想されています。

3ヶ月前と比べると来期予想の成長率は下方修正されています。

■株価水準とチャートの動き

12/1(木)の終値は77ドルです。PERは86倍です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2019年4月に上場した同社。

2020年の新型コロナウイルス感染拡大によるビデオ会議需要の高まりにより株価は爆発的に上昇し、一時、年初来で6倍以上にもなりました。

2020年10月以降株価は下落が続き、現在は最高値の588ドルから▲87%程下落した水準です。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

売上高の成長鈍化、純利益は上場来初の減益予想となっている今期。
苦戦が続いています。

まだまだ成長を期待したい若い企業ですが、売上高の成長が鈍化しているのは気がかりです。

起爆剤として期待されるのが、法人向け売上です。

個人や中小事業者重視から、大口顧客重視に戦略の舵を切っており、法人向け売上は前年同期比+20%と増加しています。

売上高全体が再度増加基調に転じるか、今後の決算発表をじっくり追いかけていきます。

PLばかりに目がいきがちですが、BSをみれば有利子負債は「0」の無借金経営で、自己資本比率も73%と高く、財務の安全性は非常に高いです。


私は「5年で株価2倍」が期待できる成長銘柄として同社を観察しています。

法人向け売上高の成長、増収率の底打ちにはもう少し時間がかかると思いますが、ビデオ会議サービスでNo.1のシェアを握る同社の成長軌道回復を、じっくり見守っていきたいと思います。

もともと追加買付の目安にしていた株価100ドルを下回ってはいますが、業績の低迷がしばらく続きそうなため、しばらくは様子を見ようと思います。

1ドル135円台とまだまだ円安水準ということもありますし、今無理して買い足す必要もありませんので。

業績回復の兆しを見つけられたら、再度買付のタイミングを検討します。

以上が私の戦略です。

■おわりに

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。


毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!

お読み頂きありがとうございました!


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■参考:同社に関する過去の記事

【ズーム】22/8/22決算発表内容と私の投資戦略
※22/8/22(月)に発表した2022年5月~7月期(第2四半期)決算についての記事です。
【ズーム】22/5/23決算発表内容と私の投資戦略
※22/5/23(月)に発表した2022年2月~4月期(第1四半期)決算についての記事です。
【ズーム】22/2/28決算発表内容と私の投資戦略
※22/2/28(月)に発表した2021年11月~2022年1月期(第4四半期)決算についての記事です。
【ズーム】21/11/22決算発表内容と私の投資戦略
※21/11/22(月)に発表した2021年8月~10月期(第3四半期)決算についての記事です。

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