【ウーバー・テクノロジーズ】22/5/4決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは、米・配車大手のウーバー・テクノロジーズ(ティッカーシンボル:UBER)です。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場で、決算期は12月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は511億ドル、従業員数は29,300人です。
今後世界中で様々なことが「シェアリング」されていく中で、同社のビジネスが伸びていくのではないかと、注目しています。

なお、現在私はウーバー・テクノロジーズの株は保有していません。

■決算発表内容の概要

2022/5/4(水)に発表した2022年1~3月期(第1四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算内容】(単位:百万ドル)
売上高 (Revenue):6,854(前年同期:2,903 前年同期比: +136.1%)
営業利益(Loss from operations):▲482(前年同期:▲1,524 前年同期比:-)
純利益 (Net loss attributable to Uber Technologies, Inc.):▲5,930(前年同期:▲108 前年同期比:-)
資産合計(Total assets):32,812(前期末:38,774)
自己資本(Total Uber technologies, Inc. stockholders’ equity):8,916(前期末:14,458)
現金  (Cash and cash equivalents):4,184(前期末:4,295)
有利子負債(Long-term debt):9,273(前期末:9,267)
営業CF(Net cash provided by (used in) operating activities):+15(前年同期:▲611)
投資CF(Net cash used in investing activities):▲135(前年同期:▲250)
財務CF(Net cash used in financing activities):▲113(前年同期:▲226)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q1の売上高は前年同期比+136.1%でした。
営業利益は前期▲1,524に対し、今期▲482と、赤字が継続しました。赤字幅が縮小しました。
純利益は前期▲108に対し、今期▲5,930と、赤字が継続しました。赤字幅が拡大しました。

売上高は前期+136.1%(2.3倍)と大幅な増収となりました。
同社の事業セグメントは、
(1)配車サービスなどの「Mobility」セグメント、
(2)ウーバーイーツなどの「Delivery」セグメント、
(3)「Freight」(貨物)セグメント

の3つに分かれます。
セグメント別売上高構成比は以下の通りです。

Mobilityセグメントは、前期はコロナ禍で大きく落ち込んでいましたが、前年同期比+195%と大きく回復しました。(21Q1:853 → 22Q1:2,518)
Deliveryセグメントは、前期比+44%の増収でした。(21Q1:1,741 → 22Q1:2,512)

地域別の売上高構成比は以下の通りです。

主力のUS and Canadaが全体の67%を占めます。
純利益の赤字幅が大幅に悪化したのは、Grab、Aurora、Didiといった保有株式の評価損によるものです。

●収益性のチェック

営業利益・純利益が赤字のため、収益性のチェックは割愛します。

●安全性のチェック

自己資本比率は27.2%でした。
現金は4,184、有利子負債は9,273と、有利子負債が現金を大きく上回りました。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+15と、わずかにキャッシュインとなりました。
キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。
全体的に、キャッシュの動きが小幅な印象です。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

業績予想に対する売上高の進捗度は25.0%でした。
純利益は、▲1,409の予想に対し、Q1で▲5,930と大きく上回りました。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の成長率は、売上高:+23.0%、純利益は黒字転換が予想されています。
上場以来赤字が続いていますので、もし来期黒字転換するのであれば、仕掛けるタイミングとして面白いと思っています。

■株価水準とチャートの動き

5/9(月)の終値は23ドルです。純利益が赤字予想のためPERは算出されません。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

上場は2019年5月です。
上場から1年たたずにコロナショックがあり、2020年3月には上場来安値の13ドルまで下落しました。
最安値をつけて以降反転し、2021年2月の上場来高値64ドルまで、約4.6倍上昇しました。
最高値を付けた後は、株価はずるずると減少し、現在の株価は最高値から▲64%の水準です。
以下の3点から、株価の値ごろ感がつかみにくいなと感じます。
・上場から3年程度という短さ
・上場から1年弱のタイミングでのコロナショック
・上場以来赤字が継続

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

Q1は増収減益となりました。
上場した2019年12月期以来赤字が続いていることもあり、またこのQ1では保有株式の評価損計上により大きな赤字になっていますが、私は本業の利益を示す営業利益の推移に注目しています。
上場来3年間の実績(売上高・営業利益・純利益)と、今期・来期の業績予想(売上高・純利益)をグラフにすると以下の通りです。

営業利益の赤字幅は年々減少しており、このQ1の赤字幅も前年同期の▲1,524から▲482に縮小しています。
本業で利益をあげる力が高まっていると感じます。
株式評価損計上はあくまで一時的なものだと思いますので、今回の決算発表を受けて今後株価が下がるようであれば、近い将来訪れるであろう黒字転換の際に大きな上昇をつかむチャンスかと思っています。

・上場から3年程度という短さ
・上場から1年弱のタイミングでのコロナショック
・上場以来赤字が継続

以上の3点から株価の値ごろ感がつかみにくい面があるため、エントリーするとしても一度に大きな金額を仕掛けず、小さく買っていきたいと考えています。

買付の目安は20ドル(現在の株価▲13%の水準)です。
1ドル130円の円安では手が出しにくいところですが、ここまで下がれば小さくエントリーするのはありかと考えています。
買付後のさらなる下落に備えて、第2弾、第3弾の買付も視野に、エントリーしていきたいです。

現在は社会のインフラというほどの存在にはなっていませんが、将来的には私たちの生活になくてはならないプラットフォームとして存在感を発揮する可能性があるのではと期待しています。
以上が私の戦略です。

■まとめ

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!

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