直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。
この記事では日本を代表する30銘柄を集めた「TOPIX Core 30」から、「輸送用機器」「精密機器」「機械」業種の以下5銘柄の業績を図解します。
・精密機器・・・HOYA≪7741≫
・機械・・・・・SMC≪6273≫、ダイキン工業≪6367≫
本記事で図解する業績は以下の4点です。
・営業利益
・純利益
・EPS(一株純利益)
EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。
IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。
四季報記載のコメントも掲載します。
投資判断の一助になれば幸いです。
■トヨタ自動車≪7203≫
4輪世界首位。国内シェア3割超。日野、ダイハツを傘下。SUBARU、マツダ、スズキと提携
【費用増】世界販売1095万台(1・3%減)で高水準。日米軸に高単価SUV好調。利幅厚いHV貢献。部品会社や販売店支援等7000億円重く営業減益だが、販価是正や円安で一部補う。会社計画保守的。 |
【米 国】インディアナ工場に約2200億円投じ、SUV型EVの生産を26年に開始。不正発覚のダイハツ海外新車事業はトヨタが開発から認証まで責任持つ体制に。 |
■本田技研工業≪7267≫
4輪世界7位で北米が収益源。2輪は世界首位。環境対応を強化。40年までに脱エンジン目標
【増 勢】稼ぎ頭の2輪はアジアが伸長。4輪販売は日米高水準も中国苦戦で横ばいの412万台。高収益HVが米国で台数増。労務費高あるが1ドル140円前提の会社計画保守的。連続営業増益。中国持分減。 |
【転換期】日産自とEVやAI、ソフトなど先進領域で協業検討。カナダに1・7兆円投じ次世代EV工場を建設、28年稼働。EV関連投資は30年度までに10兆円計画。 |
■HOYA≪7741≫
眼鏡レンズ、半導体用マスク基板に強い。内視鏡事業も育成。14年にセイコーの眼鏡販社を買収
【快 走】眼鏡レンズは期初のシステム障害影響で横ばい。が、コンタクトが出店強化効き伸びる。好採算のEUVマスク拡大。HDDは顧客の在庫調整収束し上向く。減損消滅。営業益高水準。為替差益見込まず。 |
【再稼働検討】HDDの需要回復受け、操業停止中のラオス工場は最速で今年度内の再稼働を検討。8月15日まで300万株、500億円上限に自己株取得、消却へ。 |
■SMC≪6273≫
FA空圧制御機器で世界首位。国内シェア6割強、海外4割。顧客の業種は幅広く収益基盤厚い
【復 調】空圧制御機器は中国中心にEV用途の成長鈍化でも自動車向け全体は堅調。国内やアジアの半導体関連が下期にかけ数量回復。欧米も省人化需要を取り込み伸びる。償却費増こなし営業益反発。増配。 |
【半導体】環境規制対応で高性能・省空間なフロンレス冷却水循環装置を開発、TSMCやサムスン電子照準。台湾と欧州、韓国で新工場など同事業に220億円投資。 |
■ダイキン工業≪6367≫
エアコン世界首位級。国内は業務用断トツ。M&Aも駆使し各国で存在感。フッ素化学事業も
※2014年3月期~2017年3月期の営業利益はHP掲載なしのため、代替として経常利益数値にてグラフ化。
【記念配】空調機は不動産市況悪化影響で中国が横ばい。日本も微増程度。が、柱の米州が業務用中心に伸長。前期急減速した欧州も営業力強化で成長軌道に復帰。インドも続伸し連続増益。100周年記念50円配。
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【資本提携】三浦工業と資本業務提携、当社の工場等向け空調子会社を合弁化、空調や冷熱で省エネや脱炭素提案へ。45年間取締役務めた井上会長が退任、名誉会長に。
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■おわりに
直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。
投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?
私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。
業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。
業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。
上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。
もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。
ぜひ活用してみて下さい。
投資判断においては、上記の業績の他にも、
・貸借対照表(BS)の状況
・キャッシュフローの状況
・配当などの株主還元方針
・ビジネスモデルの強さ
・競合他社の状況
・為替や金利などの外部環境
など、様々な要素が影響します。
少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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