直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。
この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「電気機器」業種の以下5銘柄の業績を図解します。
パナソニック ホールディングス≪6752≫、シスメックス≪6869≫、レーザーテック≪6920≫、京セラ≪6971≫、キヤノン≪7751≫
本記事で図解する業績は以下の4点です。
・営業利益
・純利益
・EPS(一株純利益)
EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。
IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。
四季報記載のコメントも掲載します。
投資判断の一助になれば幸いです。
■パナソニック ホールディングス≪6752≫
総合家電大手。AV機器、白物家電のほか、電池などのデバイス事業、車載機器、住宅設備も展開

【上向く】航空機モニターが復調。柱の家電は欧州中心に空調の需要強く続伸。価格改定効果発現に加え、米補助金もあり電池急拡大。知財関連の一時益消えても人件費や研究開発費の増加こなし営業益上向く。 |
【IRA法】EV向け電池のネバダ、カンザス両工場が米インフレ抑制法の対象に。23年度は直接給付選択し営業益に800億円補助金計上。29年まで同額以上受領へ。 |
■シスメックス≪6869≫
検体検査機器・試薬で高シェア。米国など世界的に展開。ライフサイエンス分野の研究開発強化

【最高益】国内は免疫分野の試薬や血液検査機器など伸長、手術支援ロボットも拡大。海外は中国がロックダウン影響なくなるうえ新興国も伸びる。人件費や研究開発費の増加をこなし最高純益更新。連続増配。 |
【計 画】25年度売上高5600億円、営業益1120億円の意欲的計画。血液、尿の技術深掘りやグローバル展開がカギ。手術支援ロボットは保険適用の拡大目指す。 |
■レーザーテック≪6920≫
先端半導体向けマスク欠陥検査装置が柱。EUV光源品は独占。マスクブランクス検査装置も

【絶好調】柱のマスク検査装置拡大。SiCウエハ検査装置堅調。期末に最先端装置立ち上げ負担重くても増益。24年6月期は上期受注低調だが膨大な受注残消化に大忙し、供給力も拡大。研究開発・人件費増軽くこなし営業益続伸。連続最高純益。増配か。 |
【大増員】23年6月期にエンジニア200人超採用、翌期も同規模採用で供給力拡大。EUV適用のDRAM投資拡大は追い風。 |
■京セラ≪6971≫
コンデンサーなど電子部品大手。太陽電池モジュール、通信機器、複写機など多角化経営を標榜

【反 発】EV向けセラミック部品伸長。電子部品もコンデンサーなど好採算品が回復。スマホや太陽光発電の赤字縮小。前期の年金債務費用や在庫評価減なく、半導体用基板の償却費増を吸収し営業益反転増。 |
【初中計】25年度までに過去最大級の計8500億円設備投資、うち約半分が半導体関連。太陽光発電は機器売りから電力販売へ軸足。消費者向けスマホ撤退で法人集中。 |
■キヤノン≪7751≫
カメラ、複合機の最大手。ミラーレスカメラ注力。半導体露光装置、監視カメラ、医療機器も展開

【上振れ】複合機は消耗品増え採算向上。半導体露光装置はアナログ・パワー向け需要旺盛。医療機器は最大市場の米国伸びる。好採算のカメラも新製品好調。光熱費など経費抑制も効き前号比営業増益幅拡大。 |
【医 療】体外診断用の医薬品や分析装置手がけるレゾナック子会社を買収、診断領域を強化。京都製作所から細胞製造装置技術を取得、3~5年で装置の事業化目指す。 |
■おわりに
直近の業績が好調なのか、不調なのか。
業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。
利益率が高いのか、低いのか。
グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?
私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。
業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。
業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。
上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。
もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。
ぜひ活用してみて下さい。
投資判断においては、上記の業績の他にも、
・貸借対照表(BS)の状況
・キャッシュフローの状況
・配当などの株主還元方針
・ビジネスモデルの強さ
・競合他社の状況
・為替や金利などの外部環境
など、様々な要素が影響します。
少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。
株式投資について外部のスクールで体系的に学びたい方、リアルな投資仲間を作りたい方は、ファイナンシャル・アカデミーの株式投資スクールもオススメです。
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本日もお読み頂きありがとうございました!
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