5月の訪日外客数は189万人!注目のインバウンド関連3銘柄

投資の考え方

6/21(水)、日本政府観光局(JNTO)から2023年5月の訪日外客数が発表されました。

コロナ禍では水際対策を徹底的に強化し、世界から「鎖国」とまで揶揄された日本ですが、いよいよ訪日客数も本格的に戻ってきて、経済への好影響が期待されます。

5月の訪日外客数の内容とともに、私が注目するインバウンド関連3銘柄を紹介します。

インバウンド関連銘柄への投資に興味のある方の参考になれば幸いです。

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■5月の訪日外客数は189万人!

日本政府観光局(JNTO)が6/21(水)に発表した5月の訪日外客数は189万人1,898,900人)でした。

2019年同月比で68.5と、まだまだコロナ前の水準には届きませんが、回復基調が続いています。

2013年以降の月別の訪日外客数の推移は以下の通りです。

まだまだ完全回復とはいきませんが、だんだんと回復が鮮明になってきています。

4月の195万人とくらべると減少していますが、4月より5月の方が少ないのは、コロナ禍前の2013年~2019年まで全てに共通します。

これは4月に日本の桜を目当てに来日する外国人の方がたくさんいらっしゃるためです。

■国・地域別の内訳は?

189万人の国・地域別の内訳は以下の通りです。

一番多かったのは27.2%韓国で全体の約1/4を占め、16.0%台湾が続きました。

3位には9.7%米国が入り、上位3カ国・地域で52.8%と過半数を占めます。

比較対象として、コロナ禍前の2019年5月の国別内訳を見てみましょう。

1位は中国27.3%でした。
2位に21.8%韓国、3位に15.4%台湾と、距離的にも近いアジア3カ国・地域で64.4%を占めました。

米国5.7%でした。

2019年と比べると、中国からの来日者数の比率が圧倒的に少ないことがわかります。

「以前より、欧米の人が多いなぁ」と感じている方もいるかもしれません。

米中両国の比率を比べると、その違いが明らかですね。

【中国】
2019年5月:27.3% 
2023年5月:7.1%

【米国】
2019年5月:5.7%
2023年5月:9.7%

ドル・円の為替相場で、円安が進んでいることも、米国からの訪日客数増加を後押ししています。

主要国・地域の訪日外客数を19年5月と比べると以下の通りです。

各国だんだんと19年に近い水準に回復してきており、米国は2019年同期を上回りました。(16.8%

一方で、中国は2019年の18%ほどにとどまっています。

(2019年5月:756,365人 2023年5月:134,400人、▲82.2%)

■注目3銘柄

訪日外客数が回復する中、私が注目するインバウンド関連3銘柄を紹介します。

・TKP≪3479≫

1社目は、TKPです。

TKPというと、貸会議室という印象の方が多いと思いますが、名物社長でおなじみのアパホテルの親会社でもあります。

アパホテルでは、コロナ禍において政府・自治体向けにホテルの1棟貸しを行い、新型コロナ軽症者用の宿泊需要を取り込んできました。

今後は訪日外国人宿泊者の取込、本業である研修・宴会から派生した宿泊需要の獲得が期待されます。

アパホテルに加え、ビジネスホテルのサンライフホテル、リゾートホテル・旅館のレクトーレなど、2023年2月時点で、直営21施設を運営しています。

※TKPの新中期経営計画資料より抜粋

2023年4月13日(木)に発表された新中期経営計画(2024年2月期~2026年2月期)では、3ヶ年で10施設を目安に出店を予定しており、貸会議室に次ぐ第二の柱に成長させる計画です。

インバウンド需要獲得も意識しており、注目です。

※TKPの新中期経営計画資料より抜粋

・共立メンテナンス≪9816≫

2社目は、寮事業とホテル事業の2本柱で、ビジネスホテルの「ドーミーイン」、リゾートホテルの「ラビスタ」を運営している共立メンテナンスです。

6月に発売された会社四季報夏号には、このようなコメントが掲載されています。

【大幅増益】寮は出足から高稼働。ホテルはレジャー客増え、リゾートの客室単価が上昇。訪日客増でドーミーインは稼働率コロナ前に近づく。客室単価も順調。人件費と水道光熱費増こなし、営業益続伸。増配。

【新中計】28年3月期に売上高2800億円、営業利益280億円目標。ホテル事業の拡大がカギ。リゾートホテルは韓国や香港など海外OTAと連携し、訪日客注力。

期待が出来そうな記述ですね。

そしてやはりカギは「訪日客注力」。

2023年5月26日(金)に発表された新中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)では、5年間の売上高平均成長率10%、営業利益平均成長率30%と、強気な見通しが示されています。

※共立メンテナンスの新中期経営計画資料より抜粋

ドーミーインは全国47都道府県未出店エリアに新規開業し全国展開するなど、5年間で+3,600室(+22%)の20,000室を定量目標に掲げます。
訪日外国人の積極的な取り込みにより、インバウンド比率目標は30%超です。

リゾートホテルは全国の候補地から年3~4ヶ所の新規出店を計画し、5年間で+1,300室(+31%)の5,500室を定量目標に掲げます。
こちらのインバウンド比率目標は15%超です。

積極的な出店をしながら、「営業利益平均成長率30%」という高い目標クリアできるのか、注目です。

・帝国ホテル≪9708≫

3社目は、日本を代表する高級ホテル、帝国ホテルです。

6月に発売された会社四季報夏号には、このようなコメントが掲載されています。

【大幅増益】タワー館建て替え影響で不動産が期末にかけ縮小。宿泊はインバウンド増え、客単価上昇。稼働率も高水準。後半に大型企業宴会が戻る。人件費増こなし、連続増益。会社計画やや保守的。増配。

【対応策】中国人インバウンドの回復見据え、中国に強い海外OTAと連携。宴会は売上大きい立食形式の営業強化。海外企業と契約など目的にSDGs国際認証取得。

インバウンドの中でも、中国人需要を狙う動きをしているようです。

現在はまだ中国から訪日外客数は少ないですが、今後増加してきた時に業績向上につながるか、注目です。

帝国ホテルでは、2024年度にタワー館、2031年度に本館の建て替えを予定しており、「中長期経営計画2036」とかなり長い経営計画を2022年5月12日に発表しました。

※帝国ホテルの中長期経営計画より抜粋

タワー館建て替え期間の2024~2030年度においては、「営業継続と雇用の確保」を重点課題として掲げるなど、しばらくは「成長」というよりも新たなステージへの準備期間という印象で、投資対象としては少し難しいかもしれません。

また、帝国ホテルは株価の値動きが非常に小さく、その点でも投資対象としては難しさがあります。

※SBI証券のお客様サイトより、帝国ホテルの株価チャートを抜粋

インバウンド関連だからといって、何でもかんでも手を出すべきではない、ということですね。

■おわりに

国・地域ごとの動きは2019年と異なるものの、全体としては、訪日外客数は増加しています。

訪日外客数が増えるにつれて、宿泊業界も盛り上げってくると思いますので、各社の業績が伸びていくのか楽しみです。

島国かつ人口減少が今後進む日本にとって、『観光業』は国が成長していくために重要な産業だと考えています。

国の成長を牽引するような会社を見つけ出し、応援しながら投資していきましょう!

本日もお読み頂きありがとうございました!

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