こんな方に読んで頂きたい記事です。
投資初心者です。テクニカル分析の基本を教えて欲しいです。
株価チャートからわかる上昇サインを学びたいです
投資家さんたちは株価チャートのどこをみているんですか?
株価チャートには人の心理が表れる。
そんな風に言われます。
急激に上がったかと思ったら急激に下がったり、その動きはまるで生き物のようです。
株価は、企業の業績やニュース、その国の景気、国際的な経済状態、政治の方向性や国策、銘柄の人気度など、様々な要素がからみ合って動きますが、いずれも人の心理が動かすものです。
買いたいと思う人が多ければ上がり、売りたいと思う人が多ければ下がる、それが株価です。
不規則に様々な動きをするチャートですが、いくつかの決まったパターン・型があります。
「このパターンになると株価が上がりやすい」と多くの投資家が認識している型です。
この記事では、投資初心者向けに、テクニカル分析の基本、多くの投資家が意識しているチャートの4つのチェックポイントを紹介します。
4つのチェクポイントとは、
②トレンドライン抜け
③出来高の急増
④前の安値・高値
の4つです。
一つ一つ、チャートも交えて紹介します。
■①ゴールデンクロス
株価チャートには「移動平均線」と言われる線が引かれています。
例えば、「60日移動平均線」というのは、過去60日間の終値の合計を日数で割った数値を線で結んだものです。
移動平均線からは、以下のようなことがわかります。
・上昇トレンドなのか下落トレンドなのか
・現在の株価は過去60日の平均より高いのか安いのか
上記は三井物産のチャートですが、60日移動平均線(オレンジ色の線)が右肩上がりになっており、上昇トレンドであることがわかります。
また、株価は常に移動平均線の上にあり、非常に強い状態であることがわかります。
日足チャートでは、5日移動平均線(←直近1週間の平均)、20日移動平均線(←直近1ヶ月の平均)、60日移動平均線(←直近3ヶ月の平均)などが、週足チャートでは、13週移動平均線(←直近3ヶ月の平均)、26週移動平均線(←直近半年の平均)などが一般的に用いられます。
一つのチャート上に、短期(例:5日移動平均線)、中期(例:20日移動平均線)、長期(例:60日移動平均線)の複数の移動平均線が表示されます。
ゴールデンクロスとは、短期移動平均線が下から上に向かい、長期移動平均線とクロスすることを言い、株価上昇のサインとされます。
なお、ゴールデンクロスの反対、短期移動平均線が上から下に向かい、長期移動平均線とクロスすることをデッドクロスといい、株価下落のサインとされます。
多くの投資家がゴールデンクロス=上昇サインと知っていますので、ゴールデンクロス後に株価が上昇することは多いです。
ゴールデンクロスになる前に、「そろそろゴールデンクロスしそうだな」というタイミングでエントリーできると、大きな利益を取れる可能性が高まります。
ただし、移動平均線が抵抗になり、ゴールデンクロスが出来ない場合、失望から株価がしばらく低迷してしまうこともありますので、注意が必要です。
また、日足で見るか、週足で見るかによっても見え方が異なるため、短期的にはゴールデンクロスをしても、中期的にはまだゴールデンクロスしていないということもありますので、注意が必要です。
■②トレンドライン抜け
株価は上がったり下がったりを繰り返しますが、その動きが上昇トレンドであったり、下落トレンドであったり、一定の傾向の中で動き続けることがよくあります。
例えば、株価の下落が続いている場合、上げ下げの高値同士を線で結ぶと、右肩下がりの直線になります。
この線を下落トレンドラインと言い、なかなかこの線より上に抜けられない、と投資家が意識をする線です。
反対に、上昇を続けている場合の上げ下げの安値同士を結んだ右肩上がりの直線は、上昇トレンドラインと言います。
これより下には下がらないと投資家が意識する線で、ここまで株価が下がると積極的に押し目買いする人も多いです。
なお、このトレンドラインは株価チャートに自動的に引かれているわけではありませんので、自分で引くか、頭の中に描く必要があります。
下落トレンドの続くと「新規で買おう」と思う人は少ないため、株価は下がりやすいのですが、この下落トレンドラインを上に抜けると、それは今までの下落トレンドを脱却したサインとなります。
株価は上げ下げを繰り返すものですので(一部永遠に下げ続けてしまう銘柄もありますが・・・)、下落トレンドラインを抜けたタイミングでエントリーすることで、大きな利益を取れる可能性が高まります。
ただし、下落が続いたことにもそれなりに理由はあるはずですので、一旦トレンドラインを上に抜けてもまたすぐに下落してしまうこともありますので、注意が必要です。
■③出来高の急増
出来高とは、その日売買が成立した数量を示します。
人気が高い銘柄ほど出来高は多く、人気が低い銘柄ほど出来高は少ないです。
同じ銘柄でも、決算発表、新製品発表、資本業務提携発表など、ニュースによって出来高が大きく増加することがあります。
上記はサインポストの株価チャートですが、2021年9月11日の日経新聞朝刊が「ファミリーマートが無人コンビニエンスストア店舗を2024年度末までに約1000店出す」と伝えたことをきっかけに出来高が急増しました。
特に株価が低迷している銘柄では、ニュースによって出来高が急増し、株価が上昇することがあります。
出来高上昇後、エントリーすることで大きな利益を取れる可能性が高まります。
チャートの動きと併せて、出来高にも注目しましょう。
■④前の安値・高値
以前に付けた安値と高値は、利益確定や損切りの目安にされやすく、チェックするべきポイントの一つです。
前の安値・高値ではこのように考える投資家が多くいます。
【前の安値あたりでは・・・】
・株価が下落しても、●●円は割らずにいつも反転してきたから、今回も反転するだろう → エントリー!
・今まで数年・数ヶ月にわたり抜けなかった安値を下に抜けた=今までとは異なる下のステージに下がった=売却(損切り)!
【前の高値あたりでは・・・】
・株価が上昇しても、●●円は抜けられずにいつも反落してきたから、今回も反落するだろう → 売却(利益確定)!
・今まで数年・数ヶ月にわたり抜けられなかった高値を上に抜けた=今までとは異なる上のステージに上がった=エントリー!
前の安値・高値付近は上記のように投資家の様々な考えが交錯するポイントのため、株価の動きが変化しやすいところです。
うまくエントリーすることで大きな利益を取れる可能性が高まります。
一方、投資家心理と逆の動きをしてしまうと短期間で大きな損失を抱えてしまうこともあり得るため、注意が必要です。
前の安値・高値は、短期的な視点で日足をみるだけでなく、週足や月足など中長期のスパンでみることでより精度が高まります。
■こんな人もいます・・・(相場師朗さん)
相場師朗(あいばしろう)さんというトレーダーをご存知でしょうか?
20歳の時に株の売買を始め、日本郵船1銘柄のみの売買(買いと空売り)で、億の資産を築いた凄腕のトレーダー、”株職人”です。
業績などのファンダメンタルズは一切考慮せず、株価の動きなどのテクニカルのみでエントリー・利益確定・ロスカットのタイミングを測る手法が特徴です。
2021年まで放送されていたラジオNIKKEI『相場師朗の株は技術だ!』をYouTubeでよく見ていましたが、株のトレードは決してギャンブルではなく、「技術」であるというメッセージを強く感じました。
テクニカルだけでこれだけ戦えるんだ、と衝撃を受けました。
”パンパカパン””逆パンパカパン”という相場さん独特の相場局面の言い回し、”半分の法則”と呼ぶ仕掛けのタイミング、両建てによるうねり取り、とても興味深かったです。
現在はラジオNIKKEI『相場師朗の株は技術だ!』も終了してしまい、ご自身が運営する『株塾』での指導に専念されています。
YouTubeで「相場師朗」と検索すれば、いくつか動画も見られますので、興味があれば見てみて下さい。
相場さんが運営する『株塾』に興味がある方、リアルなコミュニケーションもしながら学びたいという方は、HPをのぞいてみて下さい。
■まとめ
テクニカル分析における4つのポイント、いかがでしたでしょうか?
基本的な内容でしたので、投資経験を重ねた方にはつまらない内容かもしれませんが、基本こそが最も重要でもあります。
是非投資に活かしていきましょう!
現在の私の投資スタンスは、現物株の長期投資です。
最も重要視するのは事業が理解できることや経営者が未来を魅力的に語っているといった定性面と、増収率・増益率、ROE、営業CFといった財務数値(ファンダメンタルズ)です。
参考:★規律ある長期投資家を目指して★個別株投資8つのマイルール
これを前提に、テクニカル分析はさらに勝率を高めるための技術の一つ、という位置づけで考えています。
株式投資で資産を増やすためのシンプルなポイントは「安く買って高く売る」ことです。
どんなに良い業績の株を買っても、買値が高すぎれば、資産を増やすことはできません。
買う価格、売る価格はとても大切で、それを考える上でテクニカル分析は役に立ちます。
テクニカル分析ばかりに気を取られて本質的な企業の分析をおろそかにしないようにしつつ、上手にテクニカル分析のエッセンスを活かしていきたいですね。
少しでも個人投資家の皆さんの参考になったら嬉しいです。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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