【オイシックス・ラ・大地】21/11/11決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

私は毎年資産+10%達成を目標に投資に励むサラリーマン投資家です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのはミールキット事業等を展開するオイシックス・ラ・大地(証券コード:3182)です。
東証一部上場で、決算期は3月です。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は1,383億円、従業員数は連結で915名です。

同社の経営理念は「これからの食卓、これからの畑」です。
食に関する社会課題をビジネスの手法で解決すること目指しています。Oisix、らでぃっしゅぼーや、大地を守る会の3事業が柱です。

私がこの会社に注目している理由は、
①フードロス削減等、SDGsの観点で優れたビジネスモデルであると感じるから
②共働き・単身世帯の増加によりミールキットの利用者は今後も伸びていくと期待できるから

です。

現在私はオイシックス・ラ・大地の株は保有していません。

■決算発表内容の概要

2021/11/11(木)に発表した2022年3月期第2四半期決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算発表内容】(単位:百万円)

売上高  :56,167(前年同期: 47,566 前年同期比:+18.1%)
営業利益 : 3,347(前年同期:  3,976 前年同期比:▲15.8%)
純利益  : 2,156(前年同期:  2,452 前年同期比:▲12.1%)
資産合計 :51,695(前期末:38,360)
自己資本 :21,446(前期末:19,090)
現金   :13,358(前期末:15,580)
有利子負債: 1,276(前期末: 1,294)
営業CF  :  +96(前年同期:  4,477)
投資CF  :▲2,328(前年同期:▲1,943)
財務CF  :  ▲37(前年同期:   4,961)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+18.1%でした。
営業利益は同▲15.8%でした。
純利益は同▲12.1%でした。

売上高は10%超で成長したものの、営業利益・純利益はともに10%超で減益となりました。

Oisixの会員数が上期で約3.9万人増と順調に増加しました。
営業利益・純利益が減益となった要因は、大規模な新規PR費の投下やOisix新物流センターへの移行による物流費の増加です。
いずれも成長のための投資ということですので、今後売上高の増加につながっていくのか、注目していきたいと思います。

●収益性のチェック

売上高営業利益率は6.0%、売上高純利益率は3.8%、ROEは20.1%でした。

利益率は指標には届かず、利益率の高いビジネスとは言えなさそうです。
ROEは15%を超え、優秀な水準でした。

●安全性のチェック

自己資本比率は41.5%でした。

現金13,358に対し、有利子負債は1,276と、現金が大きく上回りました。
財務の安全性は問題なさそうです。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+96のキャッシュインとなりました。
営業利益3,347に比べると、キャッシュインが少ないようです。
また前期の営業CF+4,477に比べると、キャッシュ創出力が弱い印象です。

営業CFに比べ、投資CFは▲2,328と大きく、積極的に投資をしていることがわかります。
前年はコロナ禍で思うように投資ができなかったと、決算会見で社長も言っていましたが、前期投資が出来なかった分も今期は積極的に投資をしているようです。

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

売上高の進捗度は53.5%でした。
営業利益の進捗度は66.9%でした。
純利益の進捗度は71.9%でした。

いずれもQ2目安である50%を上回り、順調に進捗しています。
ただし、今期の業績予想は非常に控えめで、売上高は前期比+4.9%、営業利益は同▲33.0%、純利益は同▲40.4%という予想がたてられています。
業績予想通りの結果=物足りない結果という評価になるのではないかと思います。

また、とても不思議というか、判断に迷うところなのが、会社発表の業績予想と、会社四季報の業績予想の間にかなり大きなギャップがあることです。

会社発表業績予想 :売上高105,000 営業利益5,000 純利益3,000
会社四季報業績予想:売上高113,000 営業利益7,200 純利益5,100

会社発表がかなり保守的なのか、四季報予想が強気なのか、どちらなのでしょうか。
四季報予想を基準に進捗度を計算すると、売上高は49.7%、利業利益は46.5%、純利益は42.3%と、予想を下回るペースです。
ちょうど両者の間辺りでの年間着地になるでしょうか。
どちらの予想の方が確度が高いと見るかによって、進捗度の捉え方や来期の成長性の見込みが変わってきますので、判断が難しいところです。

■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性

会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

今期の会社発表業績予想から、来期の四季報発表業績予想への成長性を見ていきます。

売上高は+15.4%、営業利益は+37.5%、純利益は+29.0%と、いずれも大幅な増収増益が予想されています。

ただし、上記の通り、今期の業績予想については会社発表と会社四季報とでギャップがあります。
会社四季報の今期業績を起点に来期の成長性を見ていくと、売上高は+2.7%、営業利益は+6.9%、純利益は+5.9%です。
だいぶ違いますね。非常に判断が難しいところです。

■株価水準とチャートの動き

11/19の終値は3,590円。PERは25倍です。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

昨年のコロナショック以降、株価は大きく上昇しました。
非対面、デリバリー等のニーズへの期待が高まったこと、前期は業績が爆発的に良化したことが要因かと思います。
PERも25倍とさほど高くはありません。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

コロナ禍の前期、売上高も利益も大幅に増加した同社ですが、特需的な面もありますので、今後の業績推移については慎重に見ていく必要があると考えています。

前期の反動もあり、今期から改めて成長投資に力を入れ始めたこともあり、営業利益・純利益は減益となっています。
今期は仕方ないと思うのですが、注目しているのは来期以降の売上高・利益の伸びです。

が、それを測る上で起点となる今期の業績予想が会社予想と会社四季報とで乖離があるため、現在は将来性を考えるのが非常に難しいなと感じています。

未来の予想が難しい中では正しく投資の判断を下すことが難しいので、しばらくは手を出さず、様子を見る、というのが私の戦略です。

もし2,000円くらいまで下がればPERも15倍を切りますし、さすがに割安だと思いますので仕掛けてもいいかなと思いますが、それでもなお将来予測が見えない中だと二の足を踏んでしまいますね。
目先は、12月に発売の会社四季報の今期業績予想、来期業績予想がどのように修正されるのか(修正されないのか)に注目したいと思います。

■まとめ

長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました!

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、上記のような観点で継続的に観察を続けています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指して日々観察をしています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!お読み頂きありがとうございました!

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