今年の夏は猛暑になる?!
そんな予報がでてますね。
暑いのはしんどいですが、その分ビールがおいしく感じますし、ついたくさん飲みたくなってしまいますね!
ビールメーカーはやっぱり夏に稼ぐのか?
キリンHDの決算書から検証していきます!
■やっぱり夏に儲かる!過去6年のセグメント業績。
2018年以来過去6年の「国内ビール・スピリッツ」セグメントのセグメント売上高、セグメント利益をグラフにすると、以下の通りです。
(2024年12月期より、セグメント開示の区分が変わり、現在は「国内ビール・スピリッツ」という区分はありません。)
なお、キリンHDは12月決算会社ですので、暑さのピークを迎える7~9月は第3四半期(Q3)です。
ご覧の通り、第3四半期に売上高も利益も増えていることがわかります!
やはりビールメーカーは夏に稼いでいるのですね。
ビールは売上高全体のおよそ1/3を占めるキリンHDの主力製品です。
厳しい暑さを追い風に、業績を伸ばしていって欲しいですね!
■2024年12月期第1四半期決算の内容は?
さて、5月9日(木)に2024年12月期第1四半期決算が発表されましたので、足元の業績も見てみましょう!
決算の概要は以下の通りです。
・PL
売上高は+11.4%の増収。
売上高構成比は以下の通りです。
前年同期比の増収率は、酒類:+5.8%、飲料:+12.5%、医薬:+12.9%、ヘルスサイエンス:+83.8%と全セグメント増収となりました。
ヘルスサイエンスが大幅に増えていますが、昨年Q3に買収したBlackmoresの数値が加わったためです。(前期Q1は買収前。)
南方新社長はヘルスサイエンス事業部長でしたので、今後この分野を増やしていこうという意思を感じます。
ビールが主力製品ではありますが、ビール以外の医薬やヘルスサイエンスが売上高に占める比率が今後どう変わっていくのかも注目です。
セグメント別事業利益は以下の通りです。
酒類が最も稼いでいますが、前年同期比▲11.9%の減益でした。
新ブランド「晴れ風」の発売に伴うブランド投資増により減益となりました。
飲料は+27.1%の増益でした。
Coke Northeastで価格改定による単価改善や為替影響により増益でした。
医薬は+2.0%と微増益。
協和キリンが医薬事業を担いますが、売上高の比率からすると医薬は収益性が高いことがわかります。
ヘルスサイエンスは赤字です。
買収したBlackmoresは12億円の黒字でしたが、協和発酵バイオが▲23億円の赤字でした。
協和発酵バイオはアミノ酸事業の収益性悪化が続いており、前期末決算発表の際、磯﨑前社長も「協和発酵バイオについては、あらゆる選択肢を踏まえた構造改革を現在検討中」と語っていました。
ヘルスサイエンス事業を黒字化させるためにも、今後テコ入れがありそうですね。
2019年以来の四半期増収率の推移は以下の通りです。
コロナ禍で苦しい時期もありましたが、足元では増収率が改善してきており、今後が楽しみです。
・BS
貸借対照表については、2018年以来の四半期推移でチェックしていきます。
資本合計・自己資本・自己資本比率の推移は以下の通りです。
自己資本は1.1兆円を超えじわじわと増加していますが、直近では資産合計も増えており、自己資本比率は40%弱で推移しています。
現金・有利子負債の推移は以下の通りです。
ここ3四半期ほどで、有利子負債が大きく増えていることがわかります。
23Q3はBlackmoresの買収もありましたので、借入資金を活用して買収を進めたことがわかります。
手元の現金に比べて有利子負債が約5倍と有利子負債の比率が高いため、今後買収で得たBlackmoresが収益に貢献していくか、観察していきたいと思います。
■おわりに
地球温暖化と言われて久しく、毎年のように温暖化に起因する自然災害が発生しています。
悲しいことではありますが、なかなかこのトレンドは止められません。
昨年2023年の夏も過去最高を大きく上回る暑さを記録しました。
今年も暑くなりそうですが、冷えたビールでも飲んで、元気に乗り切りたいですね!
4月に発売開始した新ブランド「晴れ風」は初回出荷計画を大幅超過したようで、今後業績への寄与も楽しみです!
業種や業界によって季節波動があり、通期予想に対する進捗を見る上で、季節波動を理解しておくことは重要です。
企業業績をチェックする際の切り口として、少しでも参考になれば嬉しいです。
本日もお読み頂きありがとうございました!
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