【決算書比較】ソフトバンクとKDDI、あなたはどちらがお好み?

投資の考え方

皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri

読者の皆さん、スマホはどこの通信会社で契約していますか?

主要な通信会社のシェアは以下の通りです。

※総務省「移動系通信の契約数における事業者別シェア」(令和3年度第4四半期(3月末))の数値をもとにグラフ化


最大手のNTTドコモAU(KDDI)ソフトバンクが追いかけ、そこに新興の楽天が登場している、というのが現在の構図です。

3社の寡占状態に楽天が風穴を開けられるのかが注目されますが、この記事では目下NTTドコモを追いかける2位・3位に注目します。

KDDIソフトバンク

複数の会社の決算書を比較することで、その会社の個性がよりわかるようになります。

この記事を通して両社の違いを感じ、少しでもあなたの投資の参考になれば嬉しいです。

なお、この記事では、今年8月に発表された2023年3月期第1四半期の数値を用いて比較します。

■PL(損益計算書)の比較

まずはPLを比較します。


・売上高

2023年3月期第1四半期の売上高と増収率は以下の通りです。

売上高はほぼ同等で若干ソフトバンクが上回りました。

増収率ではソフトバンクの+0.4%に対し、KDDIは+4.0%と、KDDIが上回りました。
通期予想に対する進捗率は若干KDDIが上回りました。

ソフトバンクのセグメント別売上高は以下の通りです。

※ソフトバンクの決算説明資料より抜粋


ヤフーやLINEを傘下に持つ点がソフトバンクの特徴といえます。
通信関係は売上高全体の62.0%
その内訳はコンシューマ向け:49.0%、法人向け:13.0%です。

KDDIのセグメント別売上高は以下の通りです。

過去5年間(2018年3月期~2022年3月期)の売上高の推移は以下の通りです。


両社とも増収が続いています。

2020年3月期にソフトバンクの売上高が大きく増加したのはZホールディングス(ヤフー)を連結子会社化したことによるものです。

増収率の推移は以下の通りです。

2020年3月期にソフトバンクの増収率が大きく増加した理由は上記と同様です。
増収率はソフトバンクの方が高いです。

・営業利益・純利益

2023年3月期第1四半期の営業利益、純利益、増益率は以下の通りです。

営業利益・純利益とも、KDDIが上回りました。

営業利益はKDDIがわずかに減益だった一方、ソフトバンクは▲10%を超える減益となりました。

減益の主要因は通信料金値下げですが、KDDIはその影響を他の事業でカバーし小幅減益でとどめたのに対し、ソフトバンクはその影響を大きく受けました。

※KDDIの決算説明資料より抜粋

※ソフトバンクの決算説明資料より抜粋

・利益率・ROE

2023年3月期第1四半期の利益率・ROEは以下の通りです。

利益率はKDDIが上回りROEはソフトバンクが上回りました。


過去5年(2018年3月期~2022年3月期)の通期営業利益と営業利益率の推移は以下の通りです。

5年間通して、利益率はKDDIの方が高いです。
KDDIの利益率は大変安定しており、5年間19-20%の間で推移しています。

ソフトバンクは利益率が下落してきており、気になります。

■BS(貸借対照表)の比較

2023年3月期第1四半期の資産合計、自己資本、現金、有利子負債、自己資本比率は以下の通りです。


ソフトバンクは資産合計のおよそ50%が有利子負債による調達で、その額はKDDIの4.5倍と巨額です。

自己資本比率はKDDIの方が高く、財務の安全性は高いです。

両社のBSを図にすると以下の通りです。


短期的な安全性を示す流動比率(流動資産÷流動負債×100%)は、ソフトバンクが75.2%、KDDIが90.2%と、両社とも目安の100%を下回っています。

非流動資産の中で注目なのは、有形固定資産とのれんです。

有形固定資産は、ソフトバンクが1,520,584百万円で資産合計の11.9%、KDDIが2,590,481百万円で資産合計の23.2%です。
有形固定資産には携帯電話基地局や通信設備に対する投資が含まれます。

のれんは、ソフトバンクが1,261,102百万円で資産合計の9.9%、KDDIが541,482百万円で資産合計の4.9%です。
ソフトバンクはZホールディングス(ヤフー)やLINEの子会社によって、のれんが大きくなっています。

■CF(キャシュフロー計算書)の比較

2023年3月期第1四半期のCFの概要は以下の通りです。

両社とも、本業から生み出すキャッシュ(営業CF)はプラスです。

KDDIはそれを上回る額の設備投資(投資CF)や株主還元(財務CF)によって、期首からキャッシュが流出しています。

一方のソフトバンクは本業から生み出したキャッシュの範囲内で設備投資や株主還元を行っています。

図にすると以下の通りです。

まずはKDDIです。


続いてソフトバンクです。

■その他の項目(株価、配当など)

株価、配当など、そのほかの項目を比較すると以下の通りです。

・PER・株価

ソフトバンクは13.4倍、KDDIは13.9倍と同程度です。

割安とされるPERの目安は15倍以下と言われますので、どちらの銘柄も割安といえる株価水準です。

両社の株価の推移は以下の通りです。

まずはソフトバンクです。

※ソフトバンクの株価チャート。SBI証券お客様サイトより抜粋。

2018年12月に上場したソフトバンク。
上場直前に発生した大規模通信障害の影響もあり、公開価格の1,500円を大きく下回っての上場となりました。
1,500円からなかなか大きく抜けられない状況が続いています。

続いて、KDDIです。

※KDDIの株価チャート。SBI証券お客様サイトより抜粋。

KDDIは1993年上場ですので、上場から30年になります。
今年は多くの銘柄が軟調に推移しましたが、その中でも上昇しました。
7月の大規模通信障害の影響もあってか、一時的に下落しましたが、下げ幅は限定的でした。

・配当

配当性向、配当利回りは、いずれもソフトバンクが上回りました。
配当性向76.2%、配当利回り5.69%は非常に高い水準で株主還元意識の強さが伺えます。

前期末の決算説明資料より抜粋すると、具体的な水準は記載がありませんが、2023年度以降も「高水準の株主還元」と掲げられています。

※ソフトバンクの2022年3月期決算説明資料より抜粋


KDDIの新中期経営戦略(2023年3月期~2025年3月期)によると、「配当性向40%超」「機動的な自己株式取得」が財務方針として掲げられています。

これまで20期連続で1株当たり配当金は増加しており、過去の実績からしても安心感・信頼感のある株主還元姿勢が見て取れます。

※KDDIの新中期経営戦略資料より抜粋

■おわりに

通信大手2社の比較、いかがでしたでしょうか?

グラフや決算説明資料を多く用いて、視覚的に両社の違いを感じて頂けるように意識しました。

私自身はソフトバンクの株主(100株)ですので、ややソフトバンクびいきになってしまった面もあったかもしれませんが、皆さんはどちらの会社の株主になりたいと思いましたか?

KDDIの決算書を読むのは今回が初めてでしたが、利益率の高さ・安定感株主還元姿勢財務の安全性PER、なかなかいい銘柄だと感じました。
これから時々観察していこうと思います。

ソフトバンクは、通信以外にもヤフー・LINE・ZOZOなど消費者にとって身近な様々なタッチポイントを持っていることと、ソフトバンクグループの投資先であるAI企業との連携の可能性に大いに期待していますし、株主還元姿勢にも大変満足していますので、今後も株主として応援し続けたいと思っています。

この記事を通して、複数の会社を比較する面白さを感じて頂けたら嬉しいです。

本日もお読み頂きありがとうございました!


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