皆さんこんにちは。
個別株投資で毎年資産+10%を目指すサラリーマン投資家、かたつむり君です。
(TWITTER:@posikatatsumuri)
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上で特に重要な情報です。
この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのは自社開発SaaSやSNS活用、デジタル人材を通じ企業のマーケティングDX支援などを行うアライドアーキテクツ(証券コード:6081)です。
東証グロース市場上場で、決算期は12月です。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は115億円、従業員数は連結で192名です。
私がこの会社に注目している理由は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の流れの中で、同社のビジネスが拡大していくと考えているからです。
現在私はアライドアーキテクツの株を200株保有しています。
■決算発表内容の概要
2022/8/10(水)に発表した2022年12月期第2四半期決算の主な内容は以下の通りです。
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)
【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100
【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上
★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)
【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%) =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定
【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE :15%以上
★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か
【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷資産合計×100
【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)
★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か
【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比▲30.6%、営業利益は同+19.5%、純利益は同▲7.3%でした。
上記は前年同期の数値と単純比較した増減率ですが、今期より新収益認識基準が適用となっており、考慮する必要があります。
前年同期の売上高にも新収益認識基準を適用して算出すると、増収率は+28.8%です。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の追い風の中で成長を続けています。
同社の事業構成は以下の通りです。
「SaaSビジネス」と「デジタル人材ビジネス」が2本柱。
「SaaSビジネス」の中に①国内SaaS事業と、②海外SaaS事業があり、「デジタル人材ビジネス」の中に③ソリューション事業と、④中国進出支援事業があります。
計4つの事業に分かれます。
事業別の四半期売上高を示したのが以下のグラフです。
海外SaaS事業が四半期過去最高を大幅更新しました。
●収益性のチェック
売上高営業利益率は22.2%、売上高純利益率は19.0%でした。
目安としている15%、10%を越えて、高い収益性を示しました。
過去10年(2012年12月期~2021年12月期)と今期Q2の利益率の推移は以下の通りです。
2017年12月期~2019年12月期の3年間は赤字が続いていましたが、2020年12月期に黒字転換すると、前期・今期と利益率が改善してきています。
ROEは29.9%でした。
こちらも高い水準です。
●安全性のチェック
自己資本比率は68.1%でした。
現金1,905百万円に対し、有利子負債は259百万円と、現金が有利子負債を上回りました。
過去4年(2018年12月期~2021年12月期)と今期Q2の貸借対照表の推移は以下の通りです。
流動資産が負債合計を上回り、大変安全性は高いです。
BS全体の規模は成長をしていますが、負債が大きく増えていないことも良い状態です。
●キャッシュ創出力のチェック
営業CFは+263百万円と、キャッシュインとなりました。
営業利益の478百万円は下回りました。
キャッシュフローの概要は以下の通りです。
「営業CF:+ 投資CF:▲ 財務CF:▲」と、本業稼いだキャッシュをもとに、投資を行い、借入を返済する、という健全な資金繰りパターンであることが見て取れます。
参考:危ない会社への投資を回避できる!キャッシュ・フロー8つのパターン!
■業績予想(会社発表)に対する進捗度
業績予想に対する進捗度は、売上高:46.8%、営業利益:56.2%でした。
(純利益の業績予想は非開示です。)
■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性
会社四季報から、来期の業績予想を見ていきます。
今期の業績予想から、来期の四季報発表業績予想への成長性を見ていきます。
売上高は+15.2%、営業利益は+9.4%です。
■株価水準とチャートの動き
8/19(金)の終値は1,103円。PERは28倍です。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。
(グラフ外ですが)2016年から2017年頭にかけては、SNSマーケティングへの期待感もあり順調に株価が伸びていました。
ところが2017年4月以降業績不振となり、株価は大きく調整しました。
2017年、2018年、2019年と、3期連続の最終赤字となりました。
株価は、2017年4月の高値1,650円から、コロナショックの2020年3月には141円まで下落しました。
実に91%の下落です。
2020年から黒字転換したこともあり、株価は回復基調です。
今回の決算発表後、株価は大きく上昇しています。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
新収益認識基準が適用となりました。
表面上は▲30.6%の減収ですが、実質的には+28.8%の増収と、投資家にとって判断の難しい1年間になります。
2017~2019年にかけて3期連続最終赤字で心配しましたが、不採算な海外事業の縮小などもあり、2020年からは黒字転換し、2021年は売上高・営業利益・純利益ともに過去最高を記録しました。
同社が掲げる既存事業における4つの成長戦略は以下の通りです。
2025年に向けて売上高CAGR30-35%を掲げており、今後の推移が楽しみです。
現在保有している200株は2017年に購入し、長らく含み損状態が続いていましたが、今回の決算発表後の上昇で含み益圏に浮上しました。
利益率も改善してきており、今後の成長が期待できる面もありますが、買付から+50%ほどまで上昇したら、利益確定を検討しようと考えています。
この銘柄にエントリーした2017年はまだ「5年で株価2倍」という目安も設けていませんでしたし、実はエントリーの仕方に反省もあり、+50%までいけば十分かなと、自分の中で考えています。
ポートフォリオ全体の損益、現金比率、保有銘柄のバランスなども考えながら、じっくり検討していきます。
これが私の戦略です。
■おわりに
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
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■参考:同社に関する過去の記事
・【アライドアーキテクツ】22/5/13決算発表内容と私の投資戦略
※22/5/13(金)に発表した2022年12月期第1四半期決算についての記事です。
・【アライドアーキテクツ】22/2/10決算発表内容と私の投資戦略
※22/2/10(木)に発表した2021年12月期第4四半期決算についての記事です。
・【アライドアーキテクツ】21/11/12決算発表内容と私の投資戦略
※21/11/12(金)に発表した2021年12月期第3四半期決算についての記事です。
・【銘柄研究!】本日の気になる銘柄~アライドアーキテクツ
※21/8/10(火)に発表した2021年12月期第2四半期決算についての記事です。
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