オリエンタルランド、日本郵政などの業績を図解【TOPIX Large 70⑫】

業績図解・四季報記事

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。

この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「サービス業」「情報・通信業」「その他製品」業種の以下6銘柄の業績を図解します。

・サービス業
エムスリー≪2413≫、オリエンタルランド≪4661≫、日本郵政≪6178≫、セコム≪9735≫
・情報・通信業
Zホールディングス≪4689≫
・その他製品
バンダイナムコホールディングス≪7832≫

本記事で図解する業績は以下の4点です。

売上高/売上収益/経常収益
営業利益/経常利益
純利益
EPS(一株純利益)

EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。

IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。

四季報記載のコメントも掲載します。

投資判断の一助になれば幸いです。

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■エムスリー≪2413≫

ソニーG関連会社。医療従事者向け情報サイトで製薬会社の情報提供支援。治験等周辺分野開拓

【買収効果】治験・人材紹介はコロナ案件大幅減だが柱の製薬マーケ支援が着実増。23年12月買収ベネフィット・ワンも期末上乗せ。営業益反発。25年3月期は前期買収フル寄与。米国の構造改革も進み海外復調。
【過去最大買収】ベネフィット・ワンを約1400億円かけたTOBで子会社化へ。一般消費者向けまで事業領域拡大図る。多角化へ予防医療や医療現場DX需要深耕。

■オリエンタルランド≪4661≫

入園者数世界有数の東京ディズニーランド・シー運営。ホテル、商業施設含めたリゾートを展開

【絶好調】柱のテーマパークは値上げが寄与し、チケット単価上昇、40周年効果と訪日客増で客足も順調。物販や飲食も高水準。人件費増こなし営業大幅増益。25年3月期は新エリア開業で客足急増。営業益続伸。
【新エリア効果】入園者増加や新ホテルオープンなどで新エリア開業効果は年750億円見込む。24年度ゲスト単価は1万7000円予想(今期見通し1万6623円)。

■日本郵政≪6178≫

日本郵政グループの持株会社。主要子会社に日本郵便、ゆうちょ銀、かんぽ生命。銀行に利益依存

【減益続く】銀行・保険の運用順調。が、郵便物取扱量下げ止まらず。後半にゆうパック一部値上げでも経常益軟調。ゆうちょ銀株放出影響し非支配株主控除増。25年3月期は小型荷物増でも郵便物数量が続落。
【日本郵便】上期赤字転落。郵便料金改定申請必至、24年度値上げ実現図る。旧麻布郵便局跡地に森ビルと再開発進めた『麻布台ヒルズ森JPタワー』が23年11月開業。

■セコム≪9735≫

警備業首位。センサー付きシステム警備(機械警備)が中心。防災、医療、損保へ展開。海外強化

【横ばい】主力の機械警備は法人、個人とも件数増だが、人件費増加で利益の伸びは小幅にとどまる。防災や保険が堅調な一方、地理空間情報、BPO・ICTで費用増。営業益横ばい。25年3月期は機械警備が着実増。BPOなど回復。純益最高圏へ。
【日本初】画像AIを活用し巡回監視を行うドローンを開発、24年春発売。個人向けサービスで健康や見守りとの融合を強化。

■LINEヤフー ≪4689≫

ネットサービス国内先駆。広告やECが柱。金融育成中。傘下にヤフー、LINE、ZOZOなど

【大幅減益】広告・ECは下期にかけて市況回復し改善。が、下期は前期のペイペイ評価益消え、ヤフー向け等の販促費増が重い。営業益大幅減。純益後退でも配当維持。25年3月期は広告・ECが続伸して反発。
【提 携】アドビとの提携で当社広告作成ツール品質向上図り、利用増やす。ヤフーニュース等で生成AIサービス実装へ。LINEアプリなど約44万件の個人情報流出。

■バンダイナムコホールディングス≪7832≫

バンダイとナムコが経営統合。玩具首位級。ゲーム、娯楽施設、映像ソフト等総合エンタメ企業

【好 転】玩具は『一番くじ』等大人層向けが好調。カードやカプセルトイも貢献。ゲームは旧作が軟調も下期『鉄拳8』など新作投入が寄与。営業益上向く。為替差益。25年3月期も大人層向け玩具の好調続く。
【VR展開】『機動戦士ガンダム』はVRによる映像作品の制作を決定。メタクエストで展開予定。23年8月発売の『アーマード・コア6』は上半期に250万本を発売。

■おわりに

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?

私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。

業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。

業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。

上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。

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もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。

ぜひ活用してみて下さい。

投資判断においては、上記の業績の他にも、

貸借対照表(BS)の状況
キャッシュフローの状況
配当などの株主還元方針
ビジネスモデルの強さ
競合他社の状況
為替や金利などの外部環境

など、様々な要素が影響します。

少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。

本日もお読み頂きありがとうございました!

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