ファストリ、ニトリなどの業績を図解【TOPIX Large 70⑩】

決算分析

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

業績の推移を図解することで、様々なことが視覚的に読み取れます。

この記事では日本を代表する70銘柄を集めた「TOPIX Large 70」(トップ30を集めた「TOPIX Core 30」の次のカテゴリー)から、「卸売」「小売業」業種の以下5銘柄の業績を図解します。

・卸売業
丸紅≪8002≫、住友商事≪8053≫
・小売業
イオン≪8267≫、ニトリホールディングス≪9843≫、ファーストリテイリング≪9983≫

本記事で図解する業績は以下の4点です。

売上高/売上収益/収益
営業利益
純利益
EPS(一株純利益)

EPSは折れ線グラフ(右軸)にて、他の3つは棒グラフ(左軸)にて表現しています。

IFRS、日本基準、米国基準など、会計基準が会社によって異なるため、グラフの中の項目名が若干異なりますがご了承ください。

四季報記載のコメントも掲載します。

投資判断の一助になれば幸いです。

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■丸紅≪8002≫

芙蓉グループの総合商社大手。穀物、発電で商社首位級。プラントや輸送機、農業化学品に強み

※収益、営業利益は四季報予想数値

【反 落】航空機リース着実。金属部門は豪州原料炭、鉄鉱石が今期も稼ぐが、高騰した前期より市況低下。英国電力や米国農業資材は反動減。米国の穀物事業売却益も剥落し、最高純益の前期から反落。配当維持。
【株主還元】7月末まで上限3500万株・300億円で自己株取得。23年度新規投資は米国食料、アグリ中心に4000億円(前期2477億円)。再エネ、水事業強化。

■住友商事≪8053≫

住友系の総合商社。油井管など鋼管は強大、CATVなどメディアも強い。資源は非鉄が軸

※収益、営業利益は四季報予想数値

【連続増配】マダガスカル・ニッケル鉱山は損益改善。国内電力回復。が、エネルギー投資減で北米鋼管減速。豪州原料炭、鉄鉱石市況は巡航化。前期好調の北米建機は反動減。国内不動産売却益剥落で純益後退。
【新規投資】23年度投融資は建機、ヘルスケア、大型蓄電池など非資源分野中心に5000億円(前期まで2年で6500億円)。英国で次世代デジタル決済事業参画。

■イオン≪8267≫

国内流通2強の一角、総合スーパー(GMS)中心。M&Aで成長。上場子会社で金融、不動産など

【増益続く】柱のリテール5店程度(前期3)。人流増加で衣料・化粧品販売増え、GMSやドラッグ伸長。コロナ特需減退した食品スーパーも販促、PB強化で上向く。光熱費高、賃上げ影響こなし小幅営業増益。
【東 京】今夏、自動集荷等で効率化したネットスーパーを都内中心で稼働。段階的に一都三県に拡大へ。西東京地盤のいなげやの出資比率引き上げ、11月に子会社化。

■ニトリホールディングス≪9843≫

全国トップの家具・インテリア製造小売り。海外に自社工場も。傘下にホームセンターの島忠

※2023年3月期より、決算期を3月に変更。2023年3月期は13カ月の変則決算。

【最高益】12カ月決算復帰。店舗は国内129増、海外77増(前期は計101増)。テレビCM増やし客数回復。原価率抑えた商品投入進め後半に粗利改善。貿易費用の高騰も一服し営業益拡大。減損減。連続増配。
【商材拡充】エディオンとの連携強化し、家電の商品開発に注力。今後は家電を集めた大型店の展開も企図。回復進む中国は今期純増41(前期同21)で出店に積極姿勢。

■ファーストリテイリング≪9983≫

世界3位のSPA大手。『ユニクロ』を世界展開。『ジーユー』も。中国と東南アジアが成長軸

【続 伸】ユニクロ店舗純増は国内ゼロ、海外105。国内は円安、人件費増を正価販売でかわし着実増。海外も東南アジア軸に成長続き営業益増勢。為替差益減。増配。24年8月期は中国コロナ影響縮小し、続伸。
【東南アジア】タイ、フィリピン等では商業施設中心の出店に加え、ロードサイド出店も強化。さらなる地域密着を志向。ロシアは営業再開見通し立たず、退店進める。

■おわりに

直近の業績が好調なのか、不調なのか。

業績推移に安定感があるのか、ムラがあるのか。

利益率が高いのか、低いのか。

グラフから様々なことが視覚的に読み取れます。

投資対象として、興味が湧いた銘柄はありましたか?

私は注目している銘柄について、このグラフを定期的に更新し、株式投資のエントリー、利益確定の判断の参考にしています。

業績が下降トレンドなのに、株価が高いままであれば、売る準備をした方がいいかもしれません。

業績が上向き始めているにも関わらず、株価がさえないままであれば、仕込むのに良いタイミングなのかもしれません。

上記グラフの情報(売上高・営業利益・純利益・EPS)は、直近数年分であれば会社四季報から調べることができます。

もっと長いスパンで調べたい方は、各社IRサイトの決算短信で調べることができます。

ぜひ活用してみて下さい。

投資判断においては、上記の業績の他にも、

貸借対照表(BS)の状況
キャッシュフローの状況
配当などの株主還元方針
ビジネスモデルの強さ
競合他社の状況
為替や金利などの外部環境

など、様々な要素が影響します。

少しずつ勉強を重ね、投資の精度を高めていきましょう。

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本日もお読み頂きありがとうございました!

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