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ビジネス会計検定3級に出てくる基礎的な財務諸表分析について、事例を交えて解説します。
今日解説するのは「増収率」です。
■増収率とは?
ビジネス会計検定3級のテキスト内では「伸び率(増減)」として解説されています。
対象年度の数値から前年度の数値を差し引いた金額を、前年度の金額で割ったもので、前年度からの増減を測る指標となります。
利益、経費、資産に対しても伸び率を測ることができますが、売上高の伸び率のことを「増収率」と呼びます。
好業績の会社に対し、「増収増益」という表現がされることがありますが、「増収」は売上高の伸び率がプラスであること、「増益」は利益の伸びがプラスであることを指します。
反対に、不調な会社に対し「減収減益」という表現されることがありますが、「減収」は売上高の伸び率がマイナスであること、「減益」は利益の伸びがマイナスであることを指します。
■増収率の計算方法
増収率の計算方法は以下の通りです。
簡単な数字例で説明します。
【例1】
2022年度(=分析対象年度)の売上高が120億円だとします。
2021年度(=分析対象年度の前年度)の売上高が100億円だとします。
この時、2022年度の増収率は・・
となります。
【例2】
2022年度(=分析対象年度)の売上高が80億円だとします。
2021年度(=分析対象年度の前年度)の売上高が100億円だとします。
この時、2022年度の増収率は・・
となります。
理解できましたか?
■大切な2つの観点
株式投資において、投資対象会社の増収率をチェックする際、2つの観点が大切であると考えています。
2つの観点とは
・他社と比べて、大きいか、小さいか。
・過去と比べて、大きいか、小さいか。
です。
・他社と比べて、大きいか、小さいか。
2つの会社があるとします。
【A社】
2022年度増収率:+10%
【B社】
2022年度増収率:+25%
あなたはどちらの会社に投資したいですか?
当然B社の方がいいと思いますよね。
・前期と比べて、大きいか、小さいか。
では、以下の情報が加わったら、どうでしょうか?
【A社】
2020年度増収率:+6%
2021年度増収率:+8%
2022年度増収率:+10%
【B社】
2020年度増収率:+35%
2021年度増収率:+30%
2022年度増収率:+25%
過去の増収率の情報が加わると判断が分かれますね。
直近の増収率はB社の方が高いですが、B社の増収率は年々低下してきています。
一方のA社は、だんだんと増収率が高まっています
■具体例
電子署名サービスを展開する米・ドキュサインという会社をご存知でしょうか?
2022年8-10月期(23Q3)の増収率は+18.3%でした。
なかなかいい増収率ですよね?
ところが、過去約5年の増収率の推移をグラフにすると、以下の通りです。
新型コロナウイルスの拡大によって、電子署名サービスの普及が一気に進み、21Q3(2020年8-10月期)~22Q1(2021年2-4月期)は増収率が+50%を超え急成長しました。
ところが、経済が徐々に正常化するにつれて、電子署名の普及ペースは鈍化し、増収率の低下が続いて現在に至ります。
さて、同社の株価はどうなったでしょうか?
同社の過去5年の株価チャートは以下の通りです。
高い増収率が続いていた2020年、2021年は株価も大きく上昇しましたが、増収率の鈍化が見えて以降、株価は急落しました。
■おわりに
増収率、とても基本的な指標ですが、株式投資において大変重要な指標となります。
上記のドキュサインの例からもわかるように、「直近で増収率が何%か」という情報だけでは不十分です。
・他社と比べて、大きいか、小さいか。
・過去と比べて、大きいか、小さいか。
この2つの観点を頭に入れて、投資判断に活用するようにしましょう!
ビジネス会計検定3級の知識は、私の株式分析の基礎になっています。
合格に必要な勉強時間は50時間と言われます。
独学で十分に合格が狙え、得た知識をすぐ投資に活かすこともでき、学習のモチベーションを高く維持しやすい資格と言えると思います。
次回の試験日は10月20日(日)です。
(一般受付(クレジットカード決済)は2024年8月23日(金)~9月12日(木)です!)
ぜひ基礎的な財務諸表分析力を身に付けて、株式投資に活かしていきましょう!
公式テキスト&公式問題集で独学合格が可能です!
是非チャレンジしてみて下さい!
本日もお読み頂きありがとうございました!
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