【楽天グループ】21/11/11決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

私は毎年資産+10%達成を目標に投資に励むサラリーマン投資家です。

通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。

この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのはEC、金融、旅行、モバイル等幅広い事業を展開する楽天グループ(証券コード:4755)です。
東証一部上場で、決算期は12月です。
直近の四季報より数値を抜粋すると、時価総額は1兆7,585億円、従業員数は連結で23,841名です。

私がこの会社に注目している理由は、
①三木谷社長のカリスマ性
②様々なコンテンツが結びつく楽天経済圏の魅力
③新しい事業にどんどんチャレンジするダイナミックな経営姿勢
④積極的なIRの姿勢
 です。

現在私は楽天グループの株を100株保有しています。

■決算発表内容の概要

2021/11/11(木)に発表した2021年12月期第3四半期決算の主な内容は以下の通りです。

【主な決算発表内容】(単位:百万円)

売上高  : 1,200,574(前年同期:1,040,190 前年同期比:+15.4%)
営業利益 : ▲108,362(前年同期: ▲60,519   前年同期比: - )
純利益  :   ▲92,262(前年同期: ▲71,471 前年同期比: - )
資産合計 :15,439,566(前期末:12,524,438)
自己資本 :  1,119,260(前期末:     608,738)
現金   :  3,841,704(前期末:  3,021,306)
有利子負債:  2,795,171(前期末: 2,487,457)
営業CF  :    417,784(前年同期:  848,109)
投資CF  :▲430,058(前年同期:▲147,249)
財務CF  :    819,302(前年同期:+400,855)

■決算発表内容分析のものさし

決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)

【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100

【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上

★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)

【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%)      =純利益÷自己資本×100
※四半期決算時は純利益を年換算し算定

【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE      :15%以上

★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か

【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)

★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か

【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

売上高は前年同期比+15.4%でした。
営業利益は前年同期の▲60,519から今期は▲108,362と赤字幅が拡大しました。
純利益は前年同期の▲71,471から今期は▲92,262と赤字幅が拡大しました。

売上高は+10%超えと力強く成長しました。
第3四半期(7-9月)だけで見ても前年同期比+12.6%と順調な伸びを見せています。

営業利益は、モバイルセグメントを除いた事業(国内EC、フィンテック、インターネットその他)で考えれば、前年同期比+31.5%の43,800と成長しています。
一方モバイルセグメントは営業利益が▲105,200と、大幅に赤字となりました。楽天回線エリアの積極的な拡大に伴い、ネットワーク関連費用が増加しました。
ローミングエリアの自社回線切り替えによる費用削減効果は2022年Q2以降にでてくることを見込んでいます。
全体を見るとモバイル事業への投資が重く営業利益・純利益ともに赤字になっていますが、EC事業やフィンテック事業は引き続き力強く成長していますので、特に赤字については気にしていません。

●収益性のチェック

営業利益、純利益ともに赤字のため、収益性のチェックについては割愛します。

●安全性のチェック

自己資本比率は7.2%でした。
現金3,841,704に対し、有利子負債は2,795,171と、現金が上回りました。

銀行事業や証券事業により多くのお金を預かっていることもあり、またモバイル事業等への積極的な投資のための有利子負債もあり、自己資本比率は7.2%と低い水準です。
今年9月に楽天銀行の上場準備を始めていることを発表しました。上場により財務基盤の充実を図る計画です。
今後の動きに注目したいと思います。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+417,784と、キャッシュインとなりました。
営業利益は▲108,362とマイナスでしたので、キャッシュインが営業利益を上回りました。
安全性の指標が低いですが、本業からキャッシュがしっかり生み出せていれば心配はありませんので、今後も営業CFの推移・水準には注目していきたいです。

■業績予想(会社発表)に対する進捗度

会社が発表した業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。

楽天グループでは、細かい数値を示した業績予想は発表されておらず、「株式市況の影響を大きく受ける証券サービスを除いた連結売上収益については、2020年12月期(前期)に比べ二桁成長を目指します」と記載されています。
今回は会社四季報に記載の業績予想と比較した進捗度を見ていきます。

売上高の進捗度は72.8%でした。
営業利益は通期予想▲160,000の赤字に対し、Q2では▲108,362の赤字でした。
純利益は通期予想▲100,000の赤字に対し、Q2では▲92,262の赤字でした。

売上高はQ3の指標である75%をやや下回りました。
営業利益は通期の業績予想ほどは赤字が出ないペース、純利益は通期の業績予想から赤字幅が拡大するペースです。

■来期の業績予想(会社四季報情報)から見る将来成長性

会社四季報では、過去の業績に加えて、今期の業績予想、来期の業績予想が記載されています。
会社四季報の記者が会社に取材をし、分析した結果掲載されている予想値です。
会社が発表している業績予想と一致する場合もあれば、ずれることもあります。
このずれがある時は、注意が必要です。

※SBI証券お客様サイトより、同社の会社四季報情報を抜粋

今期の会社発表業績予想から、来期の四季報発表業績予想への成長性を見ていきます。

売上高は+12.1%
来期も2ケタ成長を見込んでおり、楽天経済圏の強さが引き続き示されています。 営業利益・純利益は来期も赤字の見込みですが、赤字幅は大幅に縮小されると予想されています。
モバイル事業の損益がだんだんと改善していく見込みです。

■株価水準とチャートの動き

11/11の終値は1,181円。純利益予想が赤字のため予想PERは計算されていません。
過去5年間の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

700円から1,500円あたりまでの幅の中で大きな波をつけながらアップダウンしています。
この1年の動きを見ると、3/12に発表した日本郵政グループとの資本・業務提携により出来高が大幅に増えていることがわかります。
発表後に株価は大きく上げましたが、その後調整し、現在の水準に至ります。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

ECやフィンテックの成長もあり、売上高は力強い成長を示しました。
営業利益・純利益は赤字でしたが、赤字であることはもともと予定されていたので、予定通りです。
今期が赤字の場合は3期連続の赤字となり、来期も含めて4期連続の赤字が予想されていますが、現在は積極的に投資をしているフェーズですし、本業であるECやフィンテックは力強く成長し、営業キャッシュフローもしっかりプラスですので、業績や財務状態については特に心配はしていません。
積極的にリスクを取って投資をすることで、将来の大きな果実を狙いに行く同社の戦略を楽しみに見守りたいと思います。

現在の100株は基本的には保有継続です。
楽天グループは日本国内においてはなくてはならない存在になっていますが、それがワールドワイドにどこまで拡大していくのか、楽しみにしつつ、応援しいたいと思います。

コングロマリットディスカウントもありますし、積極的にリスクを取るがゆえにネガティブなニュースも出る可能性もありますし、ファンも多ければアンチも多い会社だとは思いますので、株価が大きく調整してしまうことは今後もあると思います。
私自身は同社の将来性や稼ぐ力に非常に魅力を感じておりますので、株価が大きく調整したら、追加で買っていきたいと考えています。
目安は800円あたりでしょうか。

以上が私の戦略です。

■まとめ

長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました!

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、上記のような観点で継続的に観察を続けています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指して日々観察をしています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。

毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!お読み頂きありがとうございました!

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