私は毎年資産+10%達成を目標に投資に励むサラリーマン投資家です。
通勤時間や平日の夜、週末の時間を使って、売買候補となる銘柄の研究を行っています。
日々様々な情報が飛び交いますが、特に年に4回(四半期に1回)行われる決算発表は、企業の業績・状態を把握し、今後の投資戦略を考える上でとても重要な情報です。
この記事では、私が保有中 or 気になっている銘柄の決算発表内容をチェックし、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。
記載している銘柄を推奨しているわけではありませんが、私の視点や考え方が読者の方の参考になれば嬉しいです。
■本日のチェック銘柄
今日チェックするのは米会員制倉庫型ストアのコストコ・ホールセール(ティッカーシンボル:COST)です。
NADAQ上場で、決算期は8月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は2,342億ドル、従業員数は288 ,000人です。
最近は各テレビ局で芸能人がコストコを訪れて、「めっちゃ安い!めっちゃお得!」と言いながら爆買いするような番組もよく見かけますし、広告宣伝にも力を入れている印象です。
私自身は会員ではないので利用したことはありませんが、よく名前を聞く会社ですので、今回チェックしてみました。
なお、現在私はコストコ・ホールセールの株を保有していません。
■決算発表内容の概要
2021/12/9(木)に発表した2021年9~11月期(第1四半期)決算の主な内容は以下の通りです。
【主な決算内容】(単位:百万ドル)
売上高 (Total revenue):50,363(前年同期:43,208 前年同期比:+16.6%)
営業利益(Operating income):1,693(前年同期:1,430 前年同期比:+18.4%)
純利益 (Net income attributable to Costoco):1,324(前年同期:1,166 前年同期比:+13.6%)
資産合計(Total assets):64,149(前期末:59,268)
自己資本(Total Costoco shareholders’ equity):18,463(前期末:17,564)
現金 (Cash and cash equivalents):12,751(前期末:11,258)
有利子負債(Current portion of long-term debt, Long-term debt):7,466(前期末:7,491)
営業CF: - (前年同期: - ) ※非開示
投資CF: - (前年同期: - ) ※非開示
財務CF: - (前年同期: - ) ※非開示
■決算発表内容分析のものさし
決算発表内容について、私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。
それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。
優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。
★成長性
【主な指標】
増収率、増益率(営業利益・純利益)
【計算方法】
増収率(%)=(今期の売上÷前期の売上-1)×100
増益率(%)=(今期の利益÷前期の利益-1)×100
【優秀と認定する目安】
増収率、増益率ともに+10%以上
★収益性
【主な指標】
売上高営業利益率、売上高純利益率、ROE(自己資本利益率)
【計算方法】
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高純利益率(%) =純利益 ÷売上高×100
ROE(%) =純利益÷自己資本×100 ※四半期決算時は純利益を年換算し算定
【優秀と認定する目安】
売上高営業利益率:15%以上
売上高純利益率 :10%以上
ROE :15%以上
★安全性
【主な指標】
自己資本比率、現金>有利子負債か
【計算方法】
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100
【優秀と認定する目安】
自己資本比率:30%以上80%以内
現金>有利子負債であること
※ただし、一概に自己資本比率が高ければいいというわけではなく、有利子負債が多いとダメでもなく、業態や企業の成長フェーズによって個別に評価する必要がある、と考えています。)
★キャッシュ創出力
【主な指標】
営業CFがプラスか、営業CF>営業利益か
【優秀と認定する目安】
営業CFがプラスであること
営業CF>営業利益であること
■決算発表内容分析
それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。
●成長性のチェック
売上高は前年同期比+16.6%でした。
営業利益は同+18.4%でした。
純利益は同+13.6%でした。
いずれも+10%を超えての増収増益となりました。
既存店売上高は前期比+15.0%。エリア別だと、U.S.:+14.9%、Canada:+17.2%、Other international:13.4%となり、どのエリアでも安定的に増加しました。
E-commerceは+14.3%と、こちらも増加しました。
●収益性のチェック
売上高営業利益率は3.4%、売上高純利益率は2.6%、ROEは28.7%でした。
利益率は目安としている指標を下回りました。
過去3年の利益率を見ると、
売上高営業利益率は3.1%、3.3%、3.4%、
売上高純利益は2.4%、2.4%、2.6%ですので、収益性は例年低い水準です。
ROEは年換算で28.7%と指標の15%を上回り、高い資本効率性を示しました。
●安全性のチェック
自己資本比率は28.8%でした。
保有している現金は12,751、有利子負債は7,466でした。現金が上回っています。
自己資本比率は30%を切っており、やや低い水準です。
前期末と比べると現金は+1,493(11,258→12,751)と増加し、有利子負債は▲25(7,491→7,466)と減少し、財務体質は改善しています。
●キャッシュ創出力のチェック
キャッシュ・フロー計算書は非開示のため今回は割愛します。
■業績予想に対する進捗度
SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。
業績予想に対する進捗度は、年間の業績予想が妥当なものかを考える上で大切な指標です。
もし進捗度が高い場合は、業績予想の上方修正が発表される可能性もあります。
Q1は25%、Q2は50%、Q3は75%、Q4は100%を超えている場合を優秀と定義して、チェックしていきます。
もちろん企業によって季節波動がありますので、単純に数値だけをみるのではなく、前年度の四半期進捗を参考にするのも大事ですね。
売上高の進捗度は23.4%でした。
純利益の進捗度は24.6%でした。
(営業利益は予想がないため割愛します。)
Q1の目安である25%には若干届きませんでしたが、既存店だけでなく、今後新規で出店する店舗もあるでしょうから、順調といえると思います。
■来期の業績予想から見る将来成長性
SBI証券お客様サイト内の財務詳細情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の会社発表の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。
来期の売上高成長率は+7.5%、純利益成長率は+10.1%と予想されています。
(営業利益は業績予想がないため割愛します。)
売上高の伸びは+10%には届かないものの、純利益は+10%を超え、増収増益と予想されています。
過去3年の実績、今期予想、来期予想と、非常に安定感のある成長を続けていると感じます。
■株価水準とチャートの動き
12/9(木)の終値は524ドルです。PERは43倍です。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。
過去5年、安定して右肩上がりで株価は上昇しています。
業績の実績・予想を見ても非常に安定感のある成長を続けていますので、この株価の推移もうなずけますね。
■私の投資戦略
以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。
+10%を越えての増収増益と、素晴らしい決算でした。
過去3年の実績、今期予想、来期予想と、非常に安定感のある成長を続けており、とても素晴らしいですね。
同じ小売業のベストバイ、ダラーツリー、ウォルマートと比べても、業績の成長性や安定感から見ると優れているなと感じます。
私自身は会員ではないので利用したことがないのですが、TV番組で見る限り大容量で安く、利用者の満足度はとても高いように感じますので、今後も成長が期待できるように感じます。
株価が350ドルくらいまで下がることがあれば(現在の株価▲33%)、PERも35倍程度になりますので、狙ってもいいかなと考えています。
ただし、業績成長の安定感からすると、なかなか下がることは期待できないかもしれませんね。
同社だけの理由で下がる可能性は低そうですので、相場全体が大きく下げた時があれば、狙っていきたいと思います。
以上が私の戦略です。
■まとめ
長くなりましたが、お読み頂きありがとうございました!
私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、上記のような観点で継続的に観察を続けています。
そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指して日々観察をしています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になったのであれば嬉しいです。
毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!
お読み頂きありがとうございました!
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