【ドキュサイン】22/12/8決算発表内容と私の投資戦略

決算分析

個別株投資で毎年資産+10%を目指し、気になっている銘柄の決算発表内容を分析し、今後の投資戦略について私なりの視点で書いていきます。

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■本日のチェック銘柄

今日チェックするのは電子署名サービスを展開するドキュサイン(ティッカーシンボル:DOCU)です。

NASDAQ上場で、決算期は1月です。
SBI証券お客様サイト内の銘柄サマリー情報より数値を抜粋すると、時価総額は87億ドル、従業員数は7,461人です。

新型コロナウイルスの感染が拡大する中でも、書類の押印のために出勤しないといけない人がいる、というニュースを感染拡大初期によく見ましたが、デジタル化の必要性、電子署名の必要性はこのコロナ禍で大きく高まったのではないでしょうか。

日本では改正電子帳簿保存法が今年1月より施行され、ペーパーレス化、デジタル化がますます加速していくと予想しています。

このような潮流の中で、同社のサービスは企業の生産性向上に貢献するのではないかと期待しています。

なお、現在私はドキュサインの株を4株保有しています。

■決算発表内容の概要

2022/12/8(木)に発表した2022年8~10月期(第3四半期)決算の主な内容は以下の通りです。

【各数値の定義】(決算書のどの数値からとっているか)
・売上高:Total revenue
・営業利益:Loss from operations
・純利益:Net loss
・資産合計:Total assets
・自己資本:Total stockholders’ equity
・現金:Cash and cash equivalents
・有利子負債:Convertible senior notes
・営業CF:Net cash provided by operating activities
・投資CF:Net cash used in investing activities
・財務CF:Net cash used in financing activities

■決算発表内容分析のものさし

私は主に①成長性、②収益性、③安全性、④キャッシュ創出力、の4つの観点からチェックをしています。

それぞれの観点について、主な指標とその計算方法、優秀と認定する目安は以下の通りです。

優秀と認定する目安をクリアした項目が多い銘柄ほど、買いたい銘柄、保有し続けたい銘柄ということになります。

■決算発表内容分析

それでは、上記のものさしに沿って、実際に決算発表内容を分析していきます。

●成長性のチェック

Q3の売上高は前年同期比+18.3%でした。
営業利益、純利益は前期に続き赤字となりました。

四半期売上高の推移は以下の通りです。

右肩上がりで推移はしているものの、だんだん伸びが弱くなっているように見えます。

増収率の推移は以下の通りです。

22Q2以降、増収率は6四半期連続で減速しています。

22Q3決算発表の際、スプリンガーCEOが「6四半期にわたって成長が加速したが、顧客が通常の購入パターンに戻った」と発言し、売上高の伸びが弱まることが示唆されました。

今後の決算でも売上高・増収率の推移に注目したいと思います。

純利益は赤字が続いています。

決算書が確認できる2018年1月期以降の四半期純利益と売上高純利益率の推移は以下の通りです。

5年以上四半期純利益の赤字が続いています。

22Q1(2021年2~4月)、22Q3(2021年8~10月)はあと一歩で四半期黒字というところまで迫りましたので、今後四半期純利益が黒字化するタイミングをじっくり観察したいと思います。

●収益性のチェック

営業利益、純利益はいずれも赤字のため、収益性のチェックは割愛します。

Q3累計の粗利率(売上総利益÷売上高×100)は78.5%と非常に高いため、営業利益・純利益が黒字転換すれば、高い収益性が期待できるのではないかと思っています。

●安全性のチェック

自己資本比率は17.2%でした。
保有している現金は633百万ドル、有利子負債は722百万ドルで、有利子負債が現金を上回りました。

自己資本・有利子負債・自己資本比率の推移は以下の通りです。

自己資本比率は17.2%と低いですが、22Q2を底になだらかに改善に向かっているように見えます。
自己資本も同じく改善に向かっています。

純利益の赤字が続いている中で自己資本が増加しているのは、資本金剰余金(Additional paid-in capital)が増加しているためです。

赤字が続いているものの、同社に期待して資本を投じる人がいるということです。

今後収益が改善し、本業の収益によって自己資本比率をさらに改善させられるのか、注目していきます。

過去4年(2019年1月期~2022年1月期)と今期Q3の貸借対照表の推移は以下の通りです。

短期的な安全性を示す流動比率(流動資産÷流動負債×100)は2022年1月期では100%を割っていましたが、このQ3は102.1%まで改善しました。

●キャッシュ創出力のチェック

営業CFは+370百万ドルと、キャッシュインとなりました。

キャッシュフローの概要を図にすると以下の通りです。

■業績予想に対する進捗度

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報に記載されている今期業績予想に対する進捗度をチェックします。

業績予想に対する売上高進捗度は74.5%でした。
純利益は▲138百万ドルの通期予想に対し、▲102百万ドルの赤字です。

Q1時点では純利益の通期予想は黒字28百万ドルでしたが、今期も赤字での着地となりそうです。

■来期の業績予想から見る将来成長性

SBI証券お客様サイト内の「財務詳細」情報より、来期の業績予想をチェックします。
今期の業績予想を起点に、来期の成長性を見ていきます。

※SBI証券お客様サイトより、同社の業績予想を抜粋

来期の売上高は+9.2%、純利益は来期も赤字と予想されています。

■株価水準とチャートの動き

12/9(金)の終値は49ドルです。
過去5年の株価の動き(週足)は以下の通りです。

※SBI証券お客様サイトより、同社の株価チャートを抜粋

2018年4月に上場し、その後50ドル前後で推移していましたが、2020年に入ってから株価が急激に上昇しました。

コロナ禍でペーパーレス化・デジタル化が一気に進むという潮流の中、電子署名サービスを展開する同社に期待が一気に集まりました。

しかし、2021年下旬以降、業績の減速懸念から、株価の下落が続いています。

2021年12月の決算発表翌日には株価が1日で▲42%と稀にみる急落となりました。
2021年8月の上場来高値314ドルから▲84%と大きく調整しています。

■私の投資戦略

以上の分析内容を簡単に表に整理すると、以下のようになります。

過去4年間(2019年1月期~2022年1月期)、通期売上高は前期比+35%超の高成長を続けてきました。

コロナ禍でペーパーレス化・デジタル化が強力に意識されたことを背景に、特にこの2年間は成長が加速していました。

しかし、今期(2023年1月期)の増収率予想は+18%ほどと、減速感があります。

+18%の増収は一般的に全く悪い数字ではないですが、高成長が期待されていた銘柄であるため、成長の鈍化を嫌気して、昨年12月以降同社の株は大きく売り込まれました。

明るい兆しとして、自己資本や自己資本比率の推移は底から改善に向かっている動きを感じます。

現在は四半期純利益が赤字ですが、四半期純利益の黒字化を伴って自己資本が改善するようであれば、株価の反転も期待できると考えています。

現在同社の株を4株保有しています。

昨年12月の暴落時に小さくエントリーし、現在は含み損です。

追加買付の目安と考えていた65ドルを割り込んでいますが、しばらくは様子見を継続する方針です。

追加買付に動き出すトリガーとしては以下の2点を考えています。

増収率の下げ止まり・反転の兆しを感じることができる

四半期純利益の黒字化が期待できる兆しを感じることができる

この2つの切り口を頭に入れつつ、引き続き観察を続けます。

黒字化もこれからですし、将来的には成長余地が十分にあると思っていますので、気長に応援したいと思います。

以上が私の戦略です。

■おわりに

私はだいたい25銘柄程度の注目銘柄を決めて、決算発表内容と会社四季報を見比べながら、上記のような観点で継続的に観察しています。

そして5年で株価2倍が期待できる銘柄を、いいタイミングで買うことを目指しています。
上記の銘柄を推奨するわけではありませんが、銘柄選択の視点や考え方など、読者の皆さんの参考になれば嬉しいです。


毎年資産+10%達成を目指して、引き続き頑張ります!
ということで、本日は以上です!

お読み頂きありがとうございました!

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■参考:同社に関する過去の記事

【ドキュサイン】22/9/8決算発表内容と私の投資戦略
※22/9/8(木)に発表した2022年5月~7月期(第2四半期)決算についての記事です。
【ドキュサイン】22/6/9決算発表内容と私の投資戦略
※22/6/9(木)に発表した2022年2月~4月期(第1四半期)決算についての記事です。
【ドキュサイン】22/3/10決算発表内容と私の投資戦略
※22/3/10(木)に発表した2021年11月~2022年1月期(第4四半期)決算についての記事です。
【ドキュサイン】21/12/2決算発表内容と私の投資戦略
※21/12/2(木)に発表した2021年8月~10月期(第3四半期)決算についての記事です。

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